2023年 02月 06日
VOGUE MARCH 1, 1967 / Diana Vreeland (Editor-in-Chief) |

ジョージア・オキーフ (Georgia O'Keeffe) の評伝のひとつで美術批評家・コラムニストのニューヨーカー、ジェフリー・ホグリフ (Jeffrey Hogrefe) が書いた『O'KEEFFE: THE LIFE OF AN AMERICAN LEGEND』の翻訳版『オキーフ:あるアメリカ神話の誕生』(野中邦子=訳・平凡社)にある文章。オキーフはヴォーグの記事に大喜びしたそうだ。
のちにジョージア・オキーフの代表作となる巨大な花やニューヨークの風景、動物の骨やニューメキシコの赤い丘などが生まれる前の1932年1月にニューヨークのアンダーソン・ギャラリーで夫となるアルフレッド・スティーグリッツ (Alfred Steiglitz) の企画による初めての展覧会以降、女性画家として注目を集め続けたオキーフだが、1940年代後半以降は美術評論家クレメント・グリーンバーグ (Clement Greenberg) の猛烈な後押しによって人気を博するようになった新しい抽象表現主義芸術の影響や都会を離れニューメキシコへの移住によってオキーフの作品に対する関心が薄れつつあった。1950年代後半からメトロポリタン美術館やウースター美術館はじめアメリカの地方都市での主にグループ展への出品により、遅々たる進展ではあったが再燃のきっかけにはなっていった。そしてオキーフが80歳を迎える1967年にファッション誌『VOGUE』が、オキーフのニューメキシコでの簡素な暮らしぶりを紹介。オキーフのイメージは一躍アップすることとなり、孤高の画家に会うためにオキーフ詣でに出掛ける人たちが増えていった。その中にはオキーフからインスピレーションを得たミュージシャンのジョニ・ミッチェル (Joni Mitchell) やファッション・デザイナーのカルヴァン・クライン (Calvin Klein) などがいた。
1967, NY, 242 pages, 315 x 240 x 10
「GEORGIA O'KEEFFE, GREAT PAINTER. PHENOMENON. NOW EIGHTY - PHOTOGRAPHED ONLY FOR VOGUE AT HER NEW MEXICO HOUSES」とタイトルされ、6ページに亘るオキーフの特集が組まれた1967年3月1日号の『ヴォーグ』。
ジェフリー・ホグリフ の評伝は11月号とあるが正しくは3月1日号。そして特集ページはオキーフが言ったとされる8ページでもなくホグリフがそれを訂正した3ページでもなく、正しくは6ページ。特集のテキストを美術評論家のユージン・グーセン (E.C. Goossen) が書き、オキーフのポートレイトや住まいを写真家セシル・ビートン (Cecil Beaton) が撮影している。気難しいオキーフをカメラに収めるために、嘗てスティーグリッツとオキーフの二人を撮影したことがあるヴォーグの写真家の中でも重鎮であるセシル・ビートンを起用と相成ったのかもしれない。
オキーフが言ったとされる干し草の山の上ではないが、スタジオ内をモデルたちに飛び跳ねさせて撮影したのはリチャード・アヴェドン (Richard Avedon) 。飛び跳ねたり、動き回ったり、躍動的な29ページに亘るアヴェドンのファッション写真のトリを飾るモデルは、フランスの歌手フランソワーズ・アルディ (Francoise Hardy) 。続いてデイヴィッド・ベイリー (David Bailey) による女優ラクエル・ウエルチ (Raquel Welch) のファッション・ポートレイト。そしてバート・スターン (Bert Stern) のファッション写真、その後にオキーフの登場となる。読者の意表を突く、若いモデルたちに続いてあらわれたオキーフの顔。オキーフの顔には数えきれないほどのしわが刻まれ、彼女の描く骨のように風雪にさらされ、永遠そのものを思わせる。
その他、本号にはヘルムート・ニュートン (Helmut Newton) によるグラフィカルなレイアウトのアンダーウエアのファッション写真を収録。
カバー写真はアーヴィング・ペン (Irving Penn) 。
本の状態:カバー表紙に小さな落書き、角部分に欠けあり。カバー裏表紙に汚れ、シワ、縁部分に小さな破れあり。1-4ページの角部分にカバー表紙同様に欠け、破れあり。その他内部ページにはページを繰りことによって生じるシワが少し見受けられるが、書き込みや切抜きはない。
価格:¥9,900
GEORGIA O'KEEFFE IN ROOFLESS ROOM, ABIQUIU, Circa 1966-67 / Cecil Beaton
ヴォーグにはモノクロで6点の写真が掲載されたが、このポートレイトのカラー写真はその時にビートンが撮影した別のショット。
ヴォーグのモノクロ写真ではわからないが、オキーフはロング・ジャケットの下に真っ赤なカーディガンを着用している。お決まりのカルダー (Alexander Calder) が作った「OKブローチ」も首元に。撮影場所はオキーフが日本の禅寺の庭から着想を得た小石(砂)を敷きつめた屋根のない部屋。癇癪持ちのオキーフがなにやら撮影しているビートンにジェスチャーしている。この1枚はヴォーグ向きではないがオキーフの一面を捉えた興味深い写真。
フレームのサイズ:W420 H420 D25
プリントのイメージサイズ:W190 H190
プリント技法:オリジナルのポジフィルムからのデジタル・プリント
サインの有無:なし
価格:SOLD
アビキューの家 屋根のない部屋全景
Photograph by Balthazar Korab, 1965
1984年にホルスト (Horst P. Horst) が撮影したカルヴァン・クラインのポートレイト。
ニューヨークの自身のアパートメントでカメラに収まるカルヴァン・クライン。ご覧の通り、腰かけたソファには大きく見事なナヴァホ族のラグを広げ、壁面にはジョージア・オキーフの作品が掛けられている。オキーフの作品はニューヨークのギャラリー、ロバート・ミラー (Robert Miller) を通して購入したのだろう。
by booksandthings
| 2023-02-06 12:00
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