2021年 07月 30日
DEPARDON TOKYO 1964-2016 / CHANEL NEXUS HALL |

現在マグナム・フォトス (Magnum Photos) に所属しているレイモン・ドゥパルドンが当時雇われていたパリの写真エージェンシー、ダルマス (Dalmas Press) の依頼で1964年に開催された東京オリンピックの取材に初めて日本にやってきたのは22歳の時だった。
オリンピックの主要競技である陸上競技と日本にとって重要な競技である柔道をカメラで捉え、オリンピックが終了した後も東京に残り、まだ外国人にとっては移動しづらい東京の街をタクシーを利用して回ったそうだ。結果としてオリンピックの写真は数多く撮影できたが、東京の街の写真は「もっと撮っておけばよかった」と後ほど振り返るようにそれほど多くはなかったのだろう。
その後、ドゥパルドンは1985年、1999年、2004年、2006年、2008年と東京を訪れ、最も近年では2016年に再訪し、街を巡り様々な瞬間をカメラで切り取っていった。特に2016年のカラー作品は幾度かの来日で東京を自家薬籠中のものとしているかのようで、興味深い新しい光景にカメラが向けられている。

















DEPARDON TOKYO 1964-2016 / CHANEL NEXUS HALL
2017, Tokyo, Unpaged, 230 x 235 x 22
2016年の東京再訪は銀座にある CHANEL NEXUS HALL で予定されていた展覧会に起因している。
2017年9月1日から10月1日まで CHANEL NEXUS HALL にてレイモン・ドゥパルドンの写真展『DEPARDON TOKYO 1964-2016』が開催されることとなり、そのための新作を撮影に東京にやってきたのだ。シャネル・ネクサス・ホールでの展覧会はドゥパルドンにとって日本で初めての展覧会となった。展覧会は東京オリンピックの取材で来日した1964年、その後の1985年から2008年、そして直近の2016年の3部で構成された。本書は展覧会を機に用意された作品集である。CHANEL NEXUS HALL の展覧会図録は販売されることはなく、関係者のために制作されている。毎回ほぼ同じデザインで統一され、香水シャネル5番のボトル・キャップをイメージさせる切込みの入ったスリップケースに、切込みに合わせタイトルが本体に印字が印字され、スリップケースの後側に写真図版が配されている。
そもそも展覧会自体が観覧無料であり、シャネル社の営利目的ではない文化事業のひとつであろうことを考慮すると図録を販売することは趣旨にそぐわないということだろう。展覧会を機に図録を購入したい人にとっては残念なことだが致し方ない。
本の状態:経年変化程度。
価格:¥7,480
by booksandthings
| 2021-07-30 12:00
| 写真

