2021年 01月 12日
HOW TO WRAP FIVE EGGS / Hideyuki Oka, George Nelson (Foreword) |

その卵が大変貴重な時代もあった。弊店の近所の有名な仕出し屋のご主人の話によると、昔は卵が貴重でお客さんからの持ち込みがあったそうだ。つまり店に卵がない場合、卵を持ち込んで美味しいだし巻き卵をつくってもらい、注文した仕出し弁当に加えてもらおうというわけである。
上の写真は山形県の農民の考案による卵を持ち運ぶための藁で編んだ包装。
プラスチックや紙のパックのある今から見ると手作業ゆえに手間暇がかかるが、包まれた卵は大切な感じがするし、また卵も新鮮に見える。
1969 (Second printing), NY, 203 pages, 260 x 290 x 25
グラフィック・デザイナー、アート・ディレクターとして知られる岡秀行は、生活の美意識を宿したパッケージには、失いつつある自然風土との共生を呼び覚ます意味があると考え、急速になくなりつつあった紙、藁、竹、土、木などの自然素材を使ったパッケージを日本各地から収集した。そしてその成果を1冊の本にまとめ1965年に美術出版社より『日本の伝統パッケージ』として上梓し、日本の伝統パッケージに注目を浴びせた。
本書はその後アメリカで刊行された英語版『HOW TO WRAP FIVE EGGS』。日本版のタイトル『日本の伝統パッケージ』は副題となり、欧米が単位とする半ダース(6)や1ダース(12)ではなく、日本が食器などの日用品で基本とする単位(5)を用いたユーモラスな表現となっているタイトルにも冴えが感じられる。
序文はアメリカの家具会社ハーマン・ミラーでの仕事でよく知られたジョージ・ネルソン (George Nelson) 。
1960年代の美術出版社からの刊行物には岡秀行の『日本の伝統パッケージ』の他に岩宮武二の『かたち』、二川幸夫の『日本建築の根』と名著が揃い、3タイトル共に海外でも刊行されている。日本の伝統デザインに関するヴィジュアル本として、もはや古典の位置づけといっても過言ではない。
本の状態:ジャケットにシワ、擦れ、キズ、縁部分に小さな破れあり。ジャケットのフラップ部分の価格表示がカットされている。本体は経年変化程度。
価格:SOLD
by booksandthings
| 2021-01-12 12:00
| デザイン


















