2019年 01月 22日
MASSCHEROEN / Hugo Claus, Ed van der Elsken (Photos), Suzy Embo (Photos) |
1967年12月25日から1968年1月1日までベルギーの海辺に街クノック (Knokke) で EXPRMNTL (Exprimental Film Festival) が開催された。
「実験的」をキーワードに、映像作品をはじめ、あらゆる実験的な表現の作品で構成され、多くのハプニングやパフォーマンスアートも含まれた。
当時フルクサス (Fluxus) のアーティストとして知られていた日本人オノ・ヨーコ (Yoko Ono) やハプニングのフランス人アーティスト、ジャン=ジャック・ルベル (Jean-Jacques Lebel) も EXPRMNTL に参加し、ともに「裸」が絡んだ作品・パフォーマンスで演壇を沸かせた。
その中でも結果的に事件になったことで最も注目を浴びることとなったのが、ベルギーを代表する作家フーゴ・クラウス (Hugo Claus) の脚本・演出による劇作品 『Masscheroen (Mariken van Nieumeghen) 』だった。オランダ語で書かれた中世のキリスト教の神秘話『Mariken van Nieumeghen』をベースにフーゴ・クラウスが大胆にアレンジ。当初、神に服従して暮らしていた Mariken が悪魔と出会い、その後一緒に生活するようになるが、7年を経てやがて後悔し、その罪の赦免を神に求め、懺悔することによって奇跡的に解放される、といったクリスチャンの "オールド・スクール" 的な道徳観を著した『Mariken van Nieumeghen』だが、脚本・演出家のフーゴ・クラウスに手に掛かると、登場人物の Mariken は透けたブラとパンティに革のロングブーツ、加えて貞操帯を身に付けており、キリスト教の三位一体(父なる神・神の子・聖霊)が登場するシーンでは、役の三人は皆さんフルチン。旧態依然としたカトリック信仰や道徳に刺激を加え、新しい自由な道徳的なものを唱えようとした。クラウスによるニュー・バージョン『Mariken van Nieumeghen』においては、 Mariken は決して赦しを請わないのである。
この劇は、ベルギーのラジオ・テレビ局を通じである人々にも知れることとなり、「公衆猥褻」「神聖冒涜」のレッテルを貼られ、フーゴ・クラウスは刑事告発されることとなった。
時代は1960年代。時代遅れの道徳や価値観から逃れ、新時代が始まろうとする時。作家連やアーティストらは、こぞってクラウスを弁護し活動。クラウス自身も新聞や媒体に「naakt als of waarheid en de vrijheid (Nude as truth and freedom)」や「De erotische vrijheid kan een wapen zijn (Erotic freedom can be a weapon)」と題した文章を寄稿した。続いてクノックでの劇を記録した写真と文章で構成された『Masscheroen』をオランダの出版社から刊行した。










MASSCHEROEN / Hugo Claus, Ed van der Elsken (Photos), Suzy Embo (Photos)
1968, Amsterdam, 64 pages, 125 x 20 x 5
フーゴ・クラウスが『Masscheroen』事件の渦中に刊行した1冊。
演劇の様子を撮影しているのは、オランダ人写真家エド・ファン・デル・エルスケン (Ed van der Elasken)。テキストはオランダ語。
フーゴ・クラウスは『Masscheroen』事件で4か月の投獄、1万フランの罰金を求刑されたが、最終的に罰金だけの刑となった。
そして「裸」が芸術の原理に基づき、タブー視されることのなくなる日は、間もなくやってきた。
本の状態:ソフトカバー。カバーに僅かな擦れによる汚れあり。その他は経年変化程度。
価格:SOLD
「実験的」をキーワードに、映像作品をはじめ、あらゆる実験的な表現の作品で構成され、多くのハプニングやパフォーマンスアートも含まれた。
当時フルクサス (Fluxus) のアーティストとして知られていた日本人オノ・ヨーコ (Yoko Ono) やハプニングのフランス人アーティスト、ジャン=ジャック・ルベル (Jean-Jacques Lebel) も EXPRMNTL に参加し、ともに「裸」が絡んだ作品・パフォーマンスで演壇を沸かせた。
その中でも結果的に事件になったことで最も注目を浴びることとなったのが、ベルギーを代表する作家フーゴ・クラウス (Hugo Claus) の脚本・演出による劇作品 『Masscheroen (Mariken van Nieumeghen) 』だった。オランダ語で書かれた中世のキリスト教の神秘話『Mariken van Nieumeghen』をベースにフーゴ・クラウスが大胆にアレンジ。当初、神に服従して暮らしていた Mariken が悪魔と出会い、その後一緒に生活するようになるが、7年を経てやがて後悔し、その罪の赦免を神に求め、懺悔することによって奇跡的に解放される、といったクリスチャンの "オールド・スクール" 的な道徳観を著した『Mariken van Nieumeghen』だが、脚本・演出家のフーゴ・クラウスに手に掛かると、登場人物の Mariken は透けたブラとパンティに革のロングブーツ、加えて貞操帯を身に付けており、キリスト教の三位一体(父なる神・神の子・聖霊)が登場するシーンでは、役の三人は皆さんフルチン。旧態依然としたカトリック信仰や道徳に刺激を加え、新しい自由な道徳的なものを唱えようとした。クラウスによるニュー・バージョン『Mariken van Nieumeghen』においては、 Mariken は決して赦しを請わないのである。
この劇は、ベルギーのラジオ・テレビ局を通じである人々にも知れることとなり、「公衆猥褻」「神聖冒涜」のレッテルを貼られ、フーゴ・クラウスは刑事告発されることとなった。
時代は1960年代。時代遅れの道徳や価値観から逃れ、新時代が始まろうとする時。作家連やアーティストらは、こぞってクラウスを弁護し活動。クラウス自身も新聞や媒体に「naakt als of waarheid en de vrijheid (Nude as truth and freedom)」や「De erotische vrijheid kan een wapen zijn (Erotic freedom can be a weapon)」と題した文章を寄稿した。続いてクノックでの劇を記録した写真と文章で構成された『Masscheroen』をオランダの出版社から刊行した。










1968, Amsterdam, 64 pages, 125 x 20 x 5
フーゴ・クラウスが『Masscheroen』事件の渦中に刊行した1冊。
演劇の様子を撮影しているのは、オランダ人写真家エド・ファン・デル・エルスケン (Ed van der Elasken)。テキストはオランダ語。
フーゴ・クラウスは『Masscheroen』事件で4か月の投獄、1万フランの罰金を求刑されたが、最終的に罰金だけの刑となった。
そして「裸」が芸術の原理に基づき、タブー視されることのなくなる日は、間もなくやってきた。
本の状態:ソフトカバー。カバーに僅かな擦れによる汚れあり。その他は経年変化程度。
価格:SOLD
by booksandthings
| 2019-01-22 12:00
| 写真集

