2018年 11月 21日
PAUL STRAND IN MEXICO / James Krippner |
赤坂のフジフイルム・スクエアで開催中の『アメリカ近代写真の至宝 ギルバート・コレクション展』を、お隣で同時開催中の『女優樹木希林さん写真展』にお越しの方々の多さに驚きつつ、決して広くはないが写真を見るには程よい会場をぐるぐる回り至宝のオリジナル・プリントを堪能させていただいた。しかも入場料は無料である。
アメリカの写真コレクターであったギルバート夫妻のコレクションから1,050点の写真を1986年に京セラ株式会社が購入し、京都国立近代美術館の写真コレクションの早期形成の必要性を理解して、同館のために寄贈した作品の一部が今回、京都ではなく東京で展示されているのだ。なにも東京でわざわざ見なくとも京都で見れば、とお考えの向きもあろうかと想像するが、京都国立近代美術館では企画展の期間に常設展で写真コレクションをなにかしら展示してあるのだが、今回のようにまとめて展示されている機会は多くはないのである。
アンセル・アダムス、ウィン・バロック、ハリー・キャラハン、イモジェン・カニンガム、アーロン・シスキン、アルフレッド・スティーグリッツ、エドワード・ウエストン、ブレッド・ウエストン、マイナー・ホワイト、ポール・ストランド。アメリカの近代写真史においてなくてはならない写真家が勢揃い。
お目当てのひとりポール・ストランドの作品は、1940年に250部限定で刊行された20枚からなる手摺りフォトグラビアのポートフォリオ『PHOTOGRAPHS OF MEXICO』から数枚が展示されていた。弊店にある1967年に製作されたフォトグラビアと比較すべく、じっくりと眺めた。
PAUL STRAND IN MEXICO / James Krippner
2010, NY, 360 pages, 298 x 335 x 40
アメリカの近代写真を作り上げたひとりポール・ストランド (Paul Strand)。
アルフレッド・スティーグリッツ (Alfred Steiglitz) が非常に目をかけた写真家のひとりである。スティーグリッツが主宰した『カメラ・ワーク』の48号にはじめてポール・ストランドの作品が紹介される。1916年、ストランドが26歳の時。そして翌年の『カメラ・ワーク』最終号では全てポール・ストランドの写真で埋め尽くされた。
しかしその後彼らの仲は、しっくりゆかずポール・ストランドは長年のメンターだったスティーグリッツのいるニューヨークを離れることを望むようになり、友人であるメキシコ人作曲家カルロス・チャヴェス (Carlos Chavez) の誘いによりメキシコへ向かう。
本書は、ポール・ストランドが1932年から33年まで滞在したメキシコでの活動、作品をまとめた大著である。
メキシコでの初の展覧会、1940年に発表するに至ったポートフォリオ『PHOTOGRAPHS OF MEXICO』、メキシコ政府の依頼により製作した映画『波 (REDES)』、1966年にふたたびメキシコの地を踏んで撮影した作品などを網羅。ポール・ストランドの写真の主なテーマとなる自然、人間、そして人間の創造物の全体の調和を浮き彫りにするような作風の始まりとなった作品の数々。巻末には、資本家に搾取され、貧しい暮らしを余儀なくされている漁師たちが、徐々に資本家に立ち向かう姿を描いた映画『波 (REDES)』のDVDが収録されている。
本の状態:ピクトリアル・カードボード・カバー。カバーに少し擦れ、汚れあり。その他は経年変化程度。DVDは未開封。
価格:¥9,900
オリジナル・フォトグラビア。Original Photogravure.
1940年に製作されたポートフォリオ『PHOTOGRAPHS OF MEXICO』から四半世紀を経て再び製作されたポートフォリオ『THE MEXICAN PORTFOLIO』の中の1点 " GIRL AND CHILD, TOLUCA DE LERDO, 1933" 。
1940年版を製作したマンハッタンの印刷会社 (Photogravure and Color Company) が、平板のグラビア印刷ができなくなったことにより、1967年版はブルックリンの印刷会社 (Anderson Lamb Company) によって、1940年時のオリジナルのスティール・フェイス・グラビア・プレートを用いて印刷されている。
フォトグラビアのイメージ・サイズ:W125 H160
フレームのサイズ:W470 H580
状態:フレームには少々汚れ、キズあり。フォトグラビアは経年変化程度。
価格:¥44,000(フレーム含む)
アメリカの写真コレクターであったギルバート夫妻のコレクションから1,050点の写真を1986年に京セラ株式会社が購入し、京都国立近代美術館の写真コレクションの早期形成の必要性を理解して、同館のために寄贈した作品の一部が今回、京都ではなく東京で展示されているのだ。なにも東京でわざわざ見なくとも京都で見れば、とお考えの向きもあろうかと想像するが、京都国立近代美術館では企画展の期間に常設展で写真コレクションをなにかしら展示してあるのだが、今回のようにまとめて展示されている機会は多くはないのである。
アンセル・アダムス、ウィン・バロック、ハリー・キャラハン、イモジェン・カニンガム、アーロン・シスキン、アルフレッド・スティーグリッツ、エドワード・ウエストン、ブレッド・ウエストン、マイナー・ホワイト、ポール・ストランド。アメリカの近代写真史においてなくてはならない写真家が勢揃い。
お目当てのひとりポール・ストランドの作品は、1940年に250部限定で刊行された20枚からなる手摺りフォトグラビアのポートフォリオ『PHOTOGRAPHS OF MEXICO』から数枚が展示されていた。弊店にある1967年に製作されたフォトグラビアと比較すべく、じっくりと眺めた。
2010, NY, 360 pages, 298 x 335 x 40
アメリカの近代写真を作り上げたひとりポール・ストランド (Paul Strand)。
アルフレッド・スティーグリッツ (Alfred Steiglitz) が非常に目をかけた写真家のひとりである。スティーグリッツが主宰した『カメラ・ワーク』の48号にはじめてポール・ストランドの作品が紹介される。1916年、ストランドが26歳の時。そして翌年の『カメラ・ワーク』最終号では全てポール・ストランドの写真で埋め尽くされた。
しかしその後彼らの仲は、しっくりゆかずポール・ストランドは長年のメンターだったスティーグリッツのいるニューヨークを離れることを望むようになり、友人であるメキシコ人作曲家カルロス・チャヴェス (Carlos Chavez) の誘いによりメキシコへ向かう。
本書は、ポール・ストランドが1932年から33年まで滞在したメキシコでの活動、作品をまとめた大著である。
メキシコでの初の展覧会、1940年に発表するに至ったポートフォリオ『PHOTOGRAPHS OF MEXICO』、メキシコ政府の依頼により製作した映画『波 (REDES)』、1966年にふたたびメキシコの地を踏んで撮影した作品などを網羅。ポール・ストランドの写真の主なテーマとなる自然、人間、そして人間の創造物の全体の調和を浮き彫りにするような作風の始まりとなった作品の数々。巻末には、資本家に搾取され、貧しい暮らしを余儀なくされている漁師たちが、徐々に資本家に立ち向かう姿を描いた映画『波 (REDES)』のDVDが収録されている。
本の状態:ピクトリアル・カードボード・カバー。カバーに少し擦れ、汚れあり。その他は経年変化程度。DVDは未開封。
価格:¥9,900
オリジナル・フォトグラビア。Original Photogravure.
1940年版を製作したマンハッタンの印刷会社 (Photogravure and Color Company) が、平板のグラビア印刷ができなくなったことにより、1967年版はブルックリンの印刷会社 (Anderson Lamb Company) によって、1940年時のオリジナルのスティール・フェイス・グラビア・プレートを用いて印刷されている。
フォトグラビアのイメージ・サイズ:W125 H160
フレームのサイズ:W470 H580
状態:フレームには少々汚れ、キズあり。フォトグラビアは経年変化程度。
価格:¥44,000(フレーム含む)
by booksandthings
| 2018-11-21 12:00
| 写真集