2019年 02月 08日
MARVELOUS NEW YORK / Jean St. Thomas |
イタリア・トスカーナ州のサン・ジャミニャーノの街に林立する美しい塔。
中世の時代に街の家々が富と力の優越を競い、気違いじみて高い塔が次々と現れた。その数は、多い時で70を超えたそうだが、その多くが取り壊されて現在は14のみ。往時、その高さは、その家の勝利と他の家の負けを表わしていた。
時は20世紀。
1935年にニューヨーク近代美術館から招かれて、初めてアメリカを訪れたル・コルビュジェは、ニューヨーク・ヘラルド紙の記者のインタビューに開口一番、「ニューヨークの摩天楼は小さすぎる」と答え、物議を醸した。
1937, N.P., 64 pages, 225 x 298 x 12
「ニューヨークの摩天楼は小さすぎる、十分な大きさではない」
と、初めて見たル・コルビュジェ氏は語る。
「大きく、そしてもっと間をあけなければならない」
- ニューヨーク・ヘラルド
本書は、ル・コルビュジェが見た頃のニューヨークの姿を捉えた写真集である。
刊行年は1937年。ル・コルビュジェの訪米の2年後である。
写真家 Jean St. Thomas がニューヨーク・マンハッタン島を地上から見上げ、或いは摩天楼の上階から見下ろした街並みを始め、ドーリア様式の柱列を配した公共施設、チャイナタウンやグリニッジ・ヴィレッジ、セントラルパークなどのエリア、地下鉄やグランドセントラル駅の内部、ブルックリン橋などマンハッタン島にかかる橋等々、ニューヨークの名所の数々を撮影。
濃淡の美しいグラビア印刷、スパイラル綴じ、そしてアメリカン・デコ調のカバーなどブックデザインも洒落た、タイトル通りマーヴェラスなニューヨーク写真集。
本の状態:ソフトカバー、スパイラル綴じ。前カバーがスパイラル綴じ部分の破損により外れている。前カバーの角部分の1か所に折れ目。後カバーにシワ、擦れ、スパイラル綴じ上部2穴、下部1穴破損。その他は経年変化程度。
価格:SOLD
by booksandthings
| 2019-02-08 12:00
| 写真