2018年 01月 18日
MALY CZLOWIEK (LITTLE MAN) / Zofia Rydet |
カメラをかまえる一人の女性 。
このポーランドの女性写真家ゾフィア・ライデット (Zofia Rydet) のデビューは40歳を過ぎた頃だった。
ゾフィアの最初の仕事は兄の旅行会社の手伝い。その後、第二次大戦下には文具店を始める。戦後は2店舗の文具と玩具の店を切り盛りしていたそのゾフィア・ライデットが、兄の勧めで若い頃に始めた写真に再び惹かれ、地元を代表する写真グループに所属して写真を撮り始めたのは1950年代。アマチュア写真家の展覧会にも作品を出品し才能を開花させ、あれよあれよという間に最初の写真集を刊行。その写真集は、写真を始めた20代の頃の被写体でもあった子供たちの姿を捉えたものだった。
1965, Warszawa, 146 pages, 197 x 250 x 18
ゾフィア・ライデットの最初にして最も印象的な写真集『MALY CZLOWIEK』である。
ポーランド西部の街グリヴィツェで結成された Gliwickie Towarzystwo Fotograficzne (Gliwice Photographic Society) に属しながら、1960年代にエジプト、ユーゴスラヴィア、ギリシャ、レバノン、アルバニア、ブルガリア、スペイン、ハンガリーを旅し、各地で子供たちの姿を撮影したゾフィア・ライデット。1961年にその展覧会を開催。約150点の作品を展示した展覧会は成功をおさめ、ポーランド芸術写真協会に迎え入れられる。そして1965年に本書を刊行。
ゾフィアが捉えた溢れんばかりに様々な表情やしぐさをした子供たちの写真をグラフィカルに見事にレイアウトしたのは、デザイナーWojciech Zamecznik 。ポーランド語、ロシア語、フランス語、英語による序文は、ポーランドで著名な美術批評家 Alfred Ligocki 。
タイトルを『MALY DZIECKO』にせず、あえて『MALY CZLOWIEK』としたゆえんがページを通して感ずる『ちいさなひと』たち。
本の状態:ジャケットに数か所破れ(裏側からテープ補修)、キズ、シワ、欠けあり。本体クロス装に軽い水シミ。ページ上部にも軽い湿気によるシワあり。その他は経年変化程度。
価格:¥38,500(2024年2月6日更新)
by booksandthings
| 2018-01-18 12:00
| 写真