2017年 03月 12日
ZELENA KOBYLA / Marcel Ayme, Bohumil Stepan (Illustrations) |
クラックビューの村に、ある日、緑色の牝馬が生まれた。老いぼれ白馬が老衰して変色した、あの、おしっこの緑ではない。硬玉のうつくしい緑である。仔馬が姿をあらわしてくるのを見ても、ジュール・オードゥアンは、自分の目も、女房の目も、信じられなかった。
「こんなことがあっていいもんかね。これじゃ、なんだかうますぎるでねえか」
百姓と伯楽をかねていたオードゥアンは、こずるくって、嘘つきで、いんちきをしては小金をもうけていた。だが、そのかいもなく、いつも損ばかりしていたのである。牝牛は一度に二匹づつ、豚は六匹づつもくたばってしまい、麦は、袋の中で芽を出すしまつなのだ。子供のほうには、少しは運もよかった。それでも、三人育つには六人生まねばならなかった。しかし、子供となると楽なものだ。葬式の日にうんとこさ泣きに泣くと、帰りにはハンカチを絞り、紐にかけて乾かしてしまう。それから、一生懸命女房を跳ねさせる、するとその年のうちに、ちゃんともう一人できてしまうのだ。子供の問題には、こういう利点があった。だから、オードゥアンも、このほうはあまり文句を言わなかったのである。元気いっぱいな男の子が三人と、お墓の中の娘が三人、まずまずといったところだろう。
・・・・・。
フランス人作家マルセル・エイメ (Marcel Ayme) が1933年に発表した『緑の牝馬 (La Jument Verte)』の冒頭である。普仏戦争後から第一次世界大戦まで間を時代背景としたフランスの農村で暮らすオードゥアン家を中心とした物語である。冒頭部からなんとも自由の精神と明朗で本能を尊ぶ気風をもった滑り出し。物語はユーモアと痛烈な社会諷刺が盛り込まれ、笑いをさそう。それでも作者マルセル・エイメは、「知らん顔して、すましている」のだそうである。











ZELENA KOBYLA / Marcel Ayme, Bohumil Stepan (Illustrations)
1966, Praha, 315 pages, 155 x 155 x 25
日本でも現在、『壁抜け男』などいくつかの作品の翻訳版が刊行されているマルセル・エイメ。そのエイメが名声を確立した作品が『緑の牝馬』。
本書は、その『緑の牝馬』のチェコ語訳版である。物語とも関連するおっぱい、お尻、♡ をたっぷり用いたイラストレーションやコラージュをボフミル・ステパン (Bohumil Stepan) が手掛けている。先日ブログで紹介したスウィフトの『ガリバー旅行記』のチェコ語版のイラスト同様に、ボフミル・ステパンにかかると、チャーミングなエロ・グロさの加わった1冊に仕立て上げられる。
本の状態:ジャケットの縁部分に小キズあり。見返し(後側)の綴じ部分の効き紙に破れあり。その他は経年変化程度。
価格:¥4,400 (2021/2/27 UPDATED)
「こんなことがあっていいもんかね。これじゃ、なんだかうますぎるでねえか」
百姓と伯楽をかねていたオードゥアンは、こずるくって、嘘つきで、いんちきをしては小金をもうけていた。だが、そのかいもなく、いつも損ばかりしていたのである。牝牛は一度に二匹づつ、豚は六匹づつもくたばってしまい、麦は、袋の中で芽を出すしまつなのだ。子供のほうには、少しは運もよかった。それでも、三人育つには六人生まねばならなかった。しかし、子供となると楽なものだ。葬式の日にうんとこさ泣きに泣くと、帰りにはハンカチを絞り、紐にかけて乾かしてしまう。それから、一生懸命女房を跳ねさせる、するとその年のうちに、ちゃんともう一人できてしまうのだ。子供の問題には、こういう利点があった。だから、オードゥアンも、このほうはあまり文句を言わなかったのである。元気いっぱいな男の子が三人と、お墓の中の娘が三人、まずまずといったところだろう。
・・・・・。
フランス人作家マルセル・エイメ (Marcel Ayme) が1933年に発表した『緑の牝馬 (La Jument Verte)』の冒頭である。普仏戦争後から第一次世界大戦まで間を時代背景としたフランスの農村で暮らすオードゥアン家を中心とした物語である。冒頭部からなんとも自由の精神と明朗で本能を尊ぶ気風をもった滑り出し。物語はユーモアと痛烈な社会諷刺が盛り込まれ、笑いをさそう。それでも作者マルセル・エイメは、「知らん顔して、すましている」のだそうである。











ZELENA KOBYLA / Marcel Ayme, Bohumil Stepan (Illustrations)
1966, Praha, 315 pages, 155 x 155 x 25
日本でも現在、『壁抜け男』などいくつかの作品の翻訳版が刊行されているマルセル・エイメ。そのエイメが名声を確立した作品が『緑の牝馬』。
本書は、その『緑の牝馬』のチェコ語訳版である。物語とも関連するおっぱい、お尻、♡ をたっぷり用いたイラストレーションやコラージュをボフミル・ステパン (Bohumil Stepan) が手掛けている。先日ブログで紹介したスウィフトの『ガリバー旅行記』のチェコ語版のイラスト同様に、ボフミル・ステパンにかかると、チャーミングなエロ・グロさの加わった1冊に仕立て上げられる。
本の状態:ジャケットの縁部分に小キズあり。見返し(後側)の綴じ部分の効き紙に破れあり。その他は経年変化程度。
価格:¥4,400 (2021/2/27 UPDATED)
by booksandthings
| 2017-03-12 12:00
| 再入荷・更新

