2016年 04月 02日
OKANT PARIS / Ivar Lo-Johansson (Text), Tore Johnson (Photos) |
美術館「えき」KYOTO にて『写真展木村伊兵衛 パリ残像』、そしてライカギャラリー京都では『ロベール・ドアノー写真展 Les Leicas de Doisneau 』が開催中である。
二人とも都市パリの街路に深く入り込んだ写真家の中の代表的存在。福原信三(日本)、アンドレ・ケルテス(ハンガリー)、ブラッサイ(トランシルヴァニア)、イジス(リトアニア)、エド・ファン・デル・エルスケン(オランダ)、フランク・ホーヴァット(イストニア)、ヨハン・ファン・デル・クークン(オランダ)、ウィリアム・クライン(アメリカ)、アンリ・カルチェ=ブレッソン、ジェルメーヌ・クルル(ポーランド)など列記するのに少々手間取るくらい様々な出身国の写真家たちが都市パリとパリ人を主題とする作品を残している。
北欧の国スウェーデンからも一人、1940年代後半にパリで数年間暮らし、パリの生活に迫る写真を撮影した写真家がいた。トーレ・ジョンソン (Tore Johnson) である。
OKANT PARIS / Ivar Lo-Johansson (Text), Tore Johnson (Photos)
1954, Stockholm, 96 pages, 205 x 265 x 12
1940年代後半からスウェーデンで幅広く読まれている Vi 誌などでフリーランスの写真家として活動していたトーレ・ジョンソン 。本書は、そのトーレ・ジョンソンとプロレタリア文学の作家として名を馳せたイーバ・ル・ヨハンソン (Ivar Lo-Johansson) との共著である。
『未知のパリ』と題された本書は、「パリの食事」「橋の下で」「老婆の社会」「娼婦」「警察」「市場」「パリの酔っぱらい」「墓地」「芸術家のパリ」「パリ散歩」の10章から成り、労働者階級の目線で都市パリを興味深く詮索した内容となっている。全ページの半分程度を占めるトゥレ・ヨンソンの写真は、リアリズムと詩情が混じりあったストリート写真と言えるだろう。
本の状態:カバー・ボードにジャケットを貼りつけたユニークな体裁。カバーに擦れによる汚れ、小さなキズあり。内部ページは経年変化程度。
価格:SOLD
by booksandthings
| 2016-04-02 12:00
| 写真