2016年 02月 26日
CHARLOTTE RAMPLING WITH COMPLIMENTS / Mareike Boom, Dirk Bogarde and Nagisa Oshima (Text) |



機会があれば是非もう一度宿泊したいと思える数少ないホテルの1軒が、南フランス・アルルの Grand Hotel Nord-Pinus。ゴッホの『夜のカフェ』やフレデリック・ミストラルの像のある街の中心地フォリム広場に面したノール・ピニュス・ホテルは "グランド" と呼ぶにはこじんまりしたクラシックな外観のホテルである。嘗てピカソやコクトーらがアルルの闘牛の時期にこの町を訪れ、ノール・ピニュス・ホテルで闘牛士や仲間たちと過ごした。ホテルは一時期閉鎖されていたが、現在の女主人が買い取り、内装など手を加え、現在に至っている。館内には古き良き時代のアルルの様子を伺える写真やアンティーク、女主人がかつて暮らしたアフリカのオブジェ、そしてピーター・リンドバーグやピーター・ビアードら女主人のセナクールのオリジナル・プリントも飾られており、ややファッション・ピープル好みの印象を拭えないこともないが、ロビーラウンジ、その隣の小さなバー、階段付近などの共用部は特に洗練された雰囲気を湛えている。
写真家ヘルムート・ニュートンによるイギリス人の女優シャーロット・ランプリングのアイコン的ポートレイトは、このノール・ピニュス・ホテルの一室で撮影されている。撮影年は前オーナー時代の1973年。現在もノール・ピニュスでは、それらの写真にある印象的なアイアン・ワーク・フレームのベッド、バロック朝の装飾的な鏡がそのまま使用されている。


















CHARLOTTE RAMPLING WITH COMPLIMENTS / Mareike Boom, Dirk Bogarde and Nagisa Oshima (Text)
1986, Munchen, 139 pages, 210 x 270 x 12
シャーロット・ランプリングが出演した映画は2000年に制作されたフランソワ・オゾン監督作品『SOUS LE SABLE(まぼろし)』を最後に観ていない。熟年夫婦を題材にした熟年夫婦(特に奥様)の琴線に触れるであろう映画だった。
本書はシャーロット・ランプリングの "ファン・ブック" に収まらない出来の良い1冊。
スィンギング・ロンドン時代(1960年代)から順を追って1986年制作大島渚監督作品『Max, Mon Amour』までの彼女の写真で構成されている。映画のスティール写真、ヴォーグ、バザー、エル誌に掲載された写真、ヘルムート・ニュートンはじめアリス・スプリング、ジャンルー・シーフ、セシル・ビートン、デヴィッド・ベイリー、ジャック=アンリ・ラルティーグ、アーサー・エルゴート、ベッティナ・ランス、そしてピーター・リンドバーグなど数多くの写真家によるポートレイトを収録。シャーロット・ランプリングへの賛辞はマレイケ・ブーム、ダーク・ボガード、大島渚が担当。テキストはドイツ語。
本の状態:ソフトカバー。カバーに少し変色あり。前後カバーの裏側にうっすらとシミ跡あり。前見返しの余白に点状のシミ。前半と後半のテキスト・ぺージの下部に僅かな湿気シワあり。その他は経年変化程度で概ね良好。
価格:SOLD

by booksandthings
| 2016-02-26 12:00
| ピープル

