2016年 01月 10日
LUNUGANGA / GEOFFREY BAWA, CHRISTOPH BON, DOMINIC SANSONI (Photos) |

昔のパスポートの日付を見てみると、スリランカを訪れたのは1994年とある。
シンガポール経由でスリランカに向かい、コロンボ、キャンディ、ヌワラ・エリア、ペントータ、ゴールなどを巡った。当時は未だ内戦下にあったスリランカ。タミル人が多く居住する北部、東部へ旅行者は立ち入らなかった頃の話。
今日、熱帯の楽園建築家として知られているスリランカ人建築家ジェフリー・バワのことを旅行当時は全く知らなかった。それゆえに残念なことにバワが初期のパートナーであったウルリック・プレスナーと運命的な出会いをした白亜のイギリス植民地時代の建築クイーンズ・ホテルには宿泊したものの、バワ建築を訪ねたり、泊まることなくスリランカを後にした。
スリランカへ導いてくれたのはジェフリー・バワではなく、SF作家アーサー・C・クラークだった。






















LUNUGANGA / GEOFFREY BAWA, CHRISTOPH BON, DOMINIC SANSONI (Photos)
1990, Singapore, 219 pages, 283 x 318 x 30
イタリアのガルーダ湖畔に別荘を購入して永住しようと決意した若きジェフリー・バワ (Geoffrey Bawa) が、その想いを果たせず、失意のうちにスリランカに帰国し、兄の勧めでベントータ近郊の打ち捨てられたコム園25エーカーを購入したのが1948年。購入当時はゴム樹林に埋もれた管理小屋がただひとつあり、北側にデダワ湖が見えるだけだった。ここからバワは森を切り拓き、建物を建て、庭をつくりながら徐々にルヌガンガ (Lunuganga) という名の理想郷をその後の生涯を通じて実現してゆく。
・・・1953年、建築教育を受けるために庭園づくりを中断してイギリスのA.A.スクールへ。建築家となってスリランカに帰国し、1958年にはシナモン丘への展望が切り拓かれ、北側テラスが出来上がってルヌガンガの庭園の大きな骨格が出来きる。1960年代から70年代初頭にかけては、週末に訪れるスタッフ用に屋根付き橋のような小屋を建て、1970年代の中頃には"ヘン・ハウス"と名付けた四角いパビリオンを、1983年には敷地の東テラスの端に"ガーデン・ルームあるいはサンデッラ"と名付けた美しいプロポーションの離れ、1980年代には自身の寝室の西側にロッジア付きのプール・コート、"ブロード・ウォーク"の西側の蓮池に日時計と黒い東屋を加えた。・・・といった具合に。
本書は、そんな一人の男の熱帯庭園・田園風景に対するヴィジョンの創造物ルヌガンガの姿をまとめた大著である。
バワ本人によるテキスト、クリストフ・ボンとドミニク・サンソーニによって数年に亘り撮影されたモノクロ写真(バワはルヌガンガの撮影に関してはモノクロを好んだ)、そして詳細な図面とイラストレーションによって構成された、まるでルヌガンガに入り込んだような実体験に近づくことのできる1冊。
本の状態:ジャケットに軽い擦れ、背部分に1か所キズあり。本体は経年変化程度。
価格:SOLD
by booksandthings
| 2016-01-10 12:00
| 建築

