2015年 03月 30日
MANCHOUKUO A PICTORIAL RECORD / Editors of Asahigraph |

5月10日まで京都で開催されている PARASOPHIA 京都国際現代芸術祭2015 のシネマプログラムを連日鑑賞した。鑑賞した映画は全て満州映画協会が製作した満州映画である。
日露戦争に勝利した我が国は、中国東北部に様々な権益を清朝政府から得た。しかし、孫文の革命により清王朝は滅び、清朝政府間の条約等が無効となり、我が国の権益が脅かされることとなる。満州での我が国の権益を否定する計画を進める中国・国民党に対抗するため、関東軍は柳条湖事件、そして満州事変を起こし占領、1932年3月清朝最後の皇帝溥儀が満州国の皇帝として即位し、満州国の建国がなされた。人類史上例を見ない異才を放った国としてわずか14年間存在した満州は、国土の狭さ・資源と人力の少なく、関東大震災による金融恐慌を引きずり、加えて大凶作が農村を襲ったこの時期の我が国にとって生命線となる土地であったとされている。























MANCHOUKUO A PICTORIAL RECORD / Editors of Asahigraph
1934, Tokyo, 320 pages, 207 x 265 x 23
シネマプログラムで鑑賞した満州映画は1939年以降の作品であり、我が国が満州国を自らの新興国家として経営しながらも、さらなる領土拡大を続け、盧溝橋事件で中国本土へ侵攻、首都南京を陥落させさらに南下を続け、後の太平洋戦争に突入した時期の作品であった。映画は国策映画であり、「我が国はうまくやっている」との同じメッセージが含まれたものであったが、当時の満州の様子が映し出された興味深い映画であった。
本書は未だ満州映画協会も設立されていない1934年に刊行された満州の記録写真集である。1933年にリットン調査団からの報告をきっかけに国際連盟を脱退し、正式発効の間に刊行されたものである。そこには秩父宮雍仁親王の満州訪問の写真を皮切りに、皇帝溥儀と皇后婉容のポートレイト、そして満州の主要な省庁の建物が続き、総括的に満州の様子を伝える写真が網羅されている。写真はアサヒグラフのスタッフ・カメラマン二人によってそれぞれ異なった季節に撮影されたもの。過去に同社から刊行された日本を紹介する写真集『JAPAN A PICTORIAL INTERPRETATION 』、『CHANGING JAPAN SEEN THROUGH THE CAMERA』と伍する出来栄えのプロパガンダ写真集である。
本の状態:ジャケットに擦れ、小キズ、汚れ、シワあり。本体見返しに少しシミ、天地・小口に少しシミあり。その他は経年変化程度で概ね良好。
価格:SOLD
by booksandthings
| 2015-03-30 12:00
| 写真集

