2015年 01月 26日
FRANCESCO CLEMENTE PASTELS 1980 / Francesco Clemente |
自らを「Nomad(放浪者)」と称するナポリ生まれの画家フランチェスコ・クレメンテ。およそ40年間をニューヨーク、ローマ、そしてマドラスを行き来して作品を制作している画家である。
ローマで建築を学び画家に転向したフランチェスコ・クレメンテが初めてインドを訪れたのは1970年代初め頃。そこでヒンドゥーのスピリチュアルな生活やローカルな文化、クラフトに魅せられ、その後も何度も足を運び、特にマドラスの神智学協会でその思想・哲学を探求している。
ジャイプール、ワーラーナシー、デリなどの街を訪ね、マドラスにスタジオを構えたのが1977年だった。
FRANCESCO CLEMENTE PASTELS 1980 / Francesco Clemente
1980, London, 85 plates, 285 x 375 x 55(本体サイズ)
Pondicherry 。
インド東部の海岸沿いの街で、1950年代にインドに返還されるまでフランス領であった英国領インドにあっては珍しい場所。
1980年春、フランチェスコ・クレメンテは85枚のパステル画をポンディシェリで描いている。
本書はそれらの作品をまとめた豪華限定版である。限定1,000部、カバーは銅板に包まれ、神智学の紋章のような図柄がエンボス加工で打ち出され、まるで神智学の教書を思わせる佇まい。エンドペーパー(見返し)と内部のページのデザインはイタリアの建築家・工業デザイナーとして名高いエットーレ・ソットサスが手掛けており、数種類の異なった紙を使用し、切り込みを入れたページに原寸大の作品の複製のプレートが差し込まれている。
フランチェスコ・クレメンテの作風を象徴する自画像、人体、セクシャリティ、神話的・神秘的、東洋的シンボル、夢想的な主題に作品を描いたポンディチェリの地の影響が垣間見える1冊。
本の状態:サイン入り。外箱にキズ、汚れあり。本体カバーの銅部分に多少のキズ、腐食あり。内部ページは経年変化程度で概ね良好。
価格:SOLD
by booksandthings
| 2015-01-26 12:00
| アート