2014年 11月 02日
LIEBSCHAFTEN UND GREUELMARCHEN DIE UNBEKAN-NTEN ZEICHNUNGEN VON HEINRICH MANN |
ジョセフ・フォン・スタンバーグ監督、マレーネ・ディートリッヒ主演映画『嘆きの天使 Der blaue Engel』の名場面。映画ファンならずとも見たことのあるワンシーンかもしれない。この映画の原作名は主人公のひとり『ウンラート教授 Professor Unrat』、著者はドイツ人作家ハインリヒ・マンである。ノーベル文学賞作家トーマス・マンは弟にあたる。
LIEBSCHAFTEN UND GREUELMARCHEN DIE UNBEKAN-NTEN ZEICHNUNGEN VON HEINRICH MANN / Volker Skierka
2001, Gottingen, 378 pages, 275 x 337 x 45
社会諷刺や権威主義を批判した作品などを執筆していたハインリッヒ・マンは、案の定というべきかナチスが政権を握り、その後第二次世界大戦が始まるとアメリカに渡った。そこで映画会社ワーナー・ブラザーズと映画原作者として契約を結び、その生涯をアメリカで終えている。
本書は、南カリフォルニア大学の Feuchtwanger Memorial Library が所蔵する知られざるハインリッヒ・マンのドローイングをまとめたものである。その多くは、アメリカのレターペーパーのサイズに描かれ、中にはワーナー・ブラザーズとの書簡の裏に描かれたものもある。描かれている内容は、『盲目のポーター』というタイトルの物語や文学の登場人物や歴史上の人物など。それらは本書のタイトル『密通と恐怖の物語』が示す通り、人間の欲といったある部分を露わにしたものが大半を占めている。かつて画家を志したことのあるハインリッヒ・マンのもうひとつの驚くべき才能。
本の状態:ジャケットに数点シミ、擦れによる微かな汚れあり。本体の地部分角に汚れ、天部分に少し点状のシミあり。その他は経年変化程度で概ね良好。
価格:SOLD
by booksandthings
| 2014-11-02 12:00
| アート