2014年 09月 28日
GUSTAV KLUTSIS AND VALENTINA KULAGINA / Margarita Tupitsyn |
ウラジミール・レーニンが創刊したソビエト連邦共和党の機関誌『Pravda(プラウダ)』に使用するフォトモンダージュの素材撮影のために労働者スタイルのポースをとる Gustav Klutsisと妻 Valentina Kulagina 。撮影は1933年頃。
先日、新刊書店でジャケットの写真に引き込まれ手に取ったグロスマンの著作『万物は流転する』には、写真家アンリ・カルティエ=ブレッソンが1954年にモスクワの労働者カフェテリアで撮影した作品が使用されている。労働者スタイルのポーズをとった Gustav と Valentina の姿と20年後のモスクワでの若い労働者の男女。20年の時が過ぎてもレーニン・スターリン時代下では労働者の姿はさほど変わらないように見える。
GUSTAV KLUTSIS AND VALENTINA KULAGINA / Margarita Tupitsyn
2004, Gottingen, 255 pages, 254 x 304 x 28
1930年代にソビエトで活躍したフォトモンダージュ手法のパイオニア的存在 Gustav Klutsis とその妻でありデザイナーとして同僚の Valentina Kulagina の作品集である。ニューヨークのICPにて2004年3月12日から5月30日まで開催された二人の作品展を機にドイツのシュタイデル社が出版を請け負い刊行されたもの。新聞、書籍、パネル、ポスター、ポストカードなど様々な作品に加え、そのデザイン・プロセスを窺い知れる資料や1920年~30年代に書かれたGustav の手紙と Valentina の日記などを収録。1940年3月19日の Valentina の日記には行方の知れない Gustav を案じ、寂しさに打ちひしがれた文面が綴られている。Gustav Klutsis は党への献身的な仕事にもかかわらず、スタリーンの大粛清により秘密警察に逮捕、後に処刑された。
本の状態:プリンテッド・ハードカバー。カバーに多少の擦れ、背の下部にキズあり。内部ページは経年変化程度で概ね良好。
価格:SOLD
by booksandthings
| 2014-09-28 12:00
| デザイン