2018年 06月 24日
CARBON / Lothar Baumgarten |

写真家アンドリュー・J・ラッセル (Andrew J. Russell) によってアメリカ・ワイオミング州の町ララミーで撮影されたユニオン・パシフィック鉄道の沿線風景である。アンドリュー・J・ラッセルは、19世紀末にユタ州とワイオミング州に鉄道を敷設し、操業したユニオン・パシフィック鉄道会社の当時の模様を記録、そしてまたカリフォルニア州とユタ州で操業したセントラル・パシフィック鉄道会社についても同様にカメラに記録した写真家として知られている。先住民族の居住地を貫き、多くの中国からの移民労働者によって建設が進んだアメリカ西部の鉄道事業。そこでは様々なドラマがあったであろう。




















CARBON / Lothar Baumgarten
1991, Los Angeles, 142 pages + 30 pages (Booklet), 392 x 312 x 23
アーティストであると同時に、人類学者、民族誌学者、建築史家、タイプフェイス応用者であるかのようなドイツ人コンセプチュアル・アーティスト、 ローター・バウムガルテン (Lothar Baumgarden) 。フィルム、プロジェクション、フォトグラフィ、レコーディングなどのメディアを使用して作品を制作するローター・バウムガルテンの今回のテーマは北アメリカ大陸を横断する鉄道。1989年に6ヶ月間アメリカ大陸をカメラとレコーダー、ペン、ノートを携え、アメリカの鉄道を追うことに専念する。その成果が1990年4月8日から6月17日までロサンゼルスの The Museum of Contemporary Art で展覧会を開催され、その後に刊行された1冊が本書である。大判の体裁、やや厚めの紙に美しいグレー・トーンで再現された写真図版、セザンヌの作品『The Railway Cutting』と対比して並べられた類似したアメリカの鉄道風景の写真、様々な配置・タイプフェイスでレイアウトされた Walter Nikkels の文字やシンボル、それらはネイティブ・アメリカンに関する言葉や地名、アメリカの鉄道会社の名称であったりする。そして巻末に付属する美しいレタープレス(凸版印刷)によるブックレットには、撮影の旅を通して書かれた自然と人類についての7つのエッセイとドイツ人文化人類学者 Michael Oppitz のエッセイが収録されている。自らこの作品集を「The aroma of geography」と表現するロータ・バウムガルテン。20世紀末の写真集の中で、美しく発展的なアーティスト・ブックのひとつとして評価されている。
本の状態:1,750部限定。本体とブックレットに著者のサイン入り。ジャケットの縁部分3か所に破れ、2箇所に欠け、後側が部分的に退色。本体は経年変化程度。
価格:¥49,500(2025年8月4日更新)
by booksandthings
| 2018-06-24 12:00
| 写真

