2014年 07月 18日
IN GIACOMETTI'S STUDIO / Michael Peppiatt (Curator) |

1937年にバルテュスが描いた大作 『La Montagne』 。空の部分を塗っていた時、絵筆の毛が抜けてしまい、その毛抜きに苦労させられていた時にバルテュスは、ある夢(悪夢)を見たという。夢の中で自分が描いた絵の青空が塗り直されて、真っ黄色になっていた夢だった。夢の中で、不安になってアルベルト・ジャコメッティにそのことを告げると、アルベルトはひと言、「まあ、まあ、放っておけ、放っておけ」。
1933年にアンドレ・ブルトン、ポール・エリュアール、ジョルジュ・ユニエ、そしてアルベルト・ジャコメッティがバルテュスのアトリエを訪ねて来たのを皮切りに、バルテュスとジャコメッテイは長く友情関係を交わした。バルテュスのロッシニエールにあるアトリエには筆や絵具や本などが散らかるなかに、写真が1枚だけ壁に掛けられており、それはジャコメッティのポートレイト。また、グラン・シャレーの母屋には、鉛筆で描いたバルテュスによるジャコメッティの肖像画が置かれている、と数あるバルテュスの評伝の中の1冊に記されている。










IN GIACOMETTI'S STUDIO / Michael Peppiatt (Curator)
2010, NY, 57 pages, 248 x 307 x 14
スイスからイタリアを経てパリに移住したアルベルト・ジャコメッティは、生涯を終えるまでひとつのアトリエで生活し、数多くの作品を創り出した。モンパルナスの裏手の rue Hippolyte-Maindron に位置するアトリエは、電気設備はなくガスライト、水道はなくコートヤードにある蛇口からという快適ではない環境であったが、移ることなく約40年間をこの場で過ごしている(第二次世界大戦中は一時故国スイスへ)。
本書は2010年10月29日から12月18日までNYのEykyn Maclean LP で開催されたジャコメッテイのスタジオをテーマとした展覧会時に刊行された1冊。Brassai、Robert Dois-neau、Alexander Liberman、Sabine Weiss、Ernst Scheidegger が撮影したアトリエの様子、アトリエでのジャコメッティのポートレイト写真を中心として彫刻作品、デッサンの図版を収録。加えてジャコメッティと親交の深いフランの詩人であり評論家 Jacques D-upin と本書のキュレーター Michael Peppiatt とのジャコメッティのアトリエの様子を窺い知ることのできるインタビュー記事が興味深い。
本の状態: 経年変化程度で概ね良好。
価格:SOLD
by booksandthings
| 2014-07-18 12:00
| アート

