2014年 02月 20日
AMERICAN PAINTING FROM THE ARMORY SHOW TO THE DEPRESSION / Milton W. Brown |

「あなたは彼女を見つけようと、
彼女をバラバラにしようと、
何度も絵を逆さまに見たりして
隅々まで見た甲斐もなく、
17回も卒倒したことでしょう。
なぜうまくいかなかったのか、そのわけを教えましょう。
あれは、女ではなく男だったからなのさ。」
アメリカの美術界にとってモダン・アートの序章となった1917年3月17日、ニューヨークのアメリカ合衆国陸軍州兵第69連隊兵器庫のドームを18区画に区切り開催された国際近代美術展(International Exhibition of Modern Art)、通称アーモリー・ショウで一番の話題を集め、人だかりができ見ることも困難だった出展作品マルセル・デュシャン作 『階段を降りる裸体(現在名は階段を降りる裸体No.2)』 にアメリカン・アート・ニューズ誌が最適なこの難解な作品の解釈に10ドルの懸賞金を出すと申し出て最優秀作に選ばれた詩 “本当はただ一人の男にすぎない” 。アメリカが急進的な芸術運動を受け入れる体制が整っていなかったことがうかがい知れる。このデュシャンの作品はサンフランシスコの画商フレデリック・C・トリーが作品を実際に見ることもなく(!)324ドルで購入し、この後その作品を売って欲しいという申し入れが殺到したがすべて断わり、最終的にウォルター・アレンスバーグの手に渡り、現在はルイーズ・アンド・ウォルター・アレンスバーグ・コレクションとしてフィラデルフィア美術館に収蔵されている。
















AMERICAN PAINTING FROM THE ARMORY SHOW TO THE DEPRESSION / Milton W. Brown
1955, Princeton, 243 pages, 226 x 285 x 24
アメリカ画家・彫刻協会(Associaton of American Painters and Sculptors)という結成間もない小さなアーティスト・グループが1年以上の時間をかけて立案し、開催した美術展アーモリー・ショー。ゴヤ、アングル、ドラクロワから印象派、後期印象派、フォーヴ、キュビズムの画家たちヨーロッパの最先端美術作品とアメリカ美術の最も進歩的な側面に共感を示すと思われるアメリカ人アーティストの作品をアメリカの一般大衆に向けた展覧会だった。様々な批評・批判があれど、アーモリー・ショウはアーティストにもコレクターにも、そして美術市場にも絶大な影響を及ぼし、アメリカ美術の性格を変える口火を切る原動力となった。
本書はアーモリー・ショウの専門家とまで言われているミルトン・ブラウンがアメリカにどのようにしてモダニズムがもたらされ、どのようにそれが定着し、どのように発展していったかをアーモリー・ショウから世界恐慌までの期間に焦点を置いて解説した1冊。モノクロではあるが数多くのアメリカ人アーティストの作品が収録されたアメリカ美術を語る上で避けては通れない良書である。
本の状態: ジャケットにキズ、擦れ、汚れあり。本体見返しに少し汚れあり。その他は経年変化程度で概ね良好。
価格:SOLD
by booksandthings
| 2014-02-20 12:00
| アート

