2013年 04月 02日
CHARLESTON A BLOOMSBURY HOUSE & GARDEN / Quentin Bell & Virginia Nicholson |
セレブリティのポートレイトなどで知られる写真家 Annie Leibovitz の2011年に刊行された新作『PILGRIMAGE』は過去の作品集と随分と趣が異なったものに仕上がっている。
親密な関係にあったスーザン・ソンタグと構想を練っていた『BEAUTY BOOK』なるタイトルの作品集を手掛ける前にスーザン・ソンタグが亡くなり、その後、構想をアニー・リーボヴィッツが練り直した“訪ねたい場所”を撮影した写真と文章による旅の本である。
その本にリーボヴィッツが撮影した上の2枚の写真も収録されている。
この2枚はロンドンから南へ90キロメートル程離れた Charleston の町にあるファームハウスの中の様子を撮影したもので、Bloomsbury Group を呼ばれる芸術家たちの集まりのメンバーだったVanessa Bell (画家、装飾家)、そして夫の Clive Bell (評論家)、ヴァネッサの愛人 Duncan Grant (画家)、その Duncan の同性の恋人 Maynard Keynes(経済学者)、そして子供たちが暮らした家だ。Vanessa Bell は同じく Bloomsbury のメンバーでもある作家 Virginia Woolf の姉であり、そのヴァージニア・ウルフも4マイルほど離れた近くに家を所有していた。
CHARLESTON A BLOOMSBURY HOUSE & GARDEN / Quentin Bell & Virginia Nicholson
1997, London, 152 pages, 262 x 258 x 18
結婚してもそれに縛られずに自由に過ごす主義を貫いたヴァネッサ・ベルとクリブ・ベルの人間関係は少し複雑に映るかもしれない。
池や庭を有した建物の1階には主にダイニング・ルーム、キッチン、ガーデン・ルーム、窯、ヴァネッサの寝室、クリブの書斎、ダンカン・グラントのスタジオがあり、2階にはクリブ、ダンカン、メイナード・キーネスそれぞれの寝室、予備の寝室、ライブラリー、3階にはヴァネッサのスタジオがある。
それらの部屋の壁、家具、カーテン、ドア、暖炉などいたる所に装飾が施され、見事にアーティスティックでユニークなインテリアに仕上がっている。それらの多くはダンカン・グランドとヴァネッサ・ベルによるものだが、バスルームの浴槽画のように友人たちが訪れた際に描いたものもある。
本書は現在でも当時の姿で保存され、一般公開されている “Bloomsbury House & Garden” を紹介した1冊。解説はヴァネッサとクリブの息子と孫娘が担当している。
本の状態:経年変化程度。
価格:SOLD
by booksandthings
| 2013-04-02 02:00
| インテリア・ファニチャー