2023年 02月 25日
SUN GARDENS VICTORIAN PHOTOGRAMS BY ANNA ATKINS / Larry J. Schaaf |

世界最初の写真集は、英国の科学者・数学者で資産家ウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボット (William Henry Fox Talbot) が1844年から1846年にかけて刊行した『THE PENCIL OF NATURE(自然の鉛筆)』と言われている。全6部で構成され、自ら発明した写真技法カロタイプによる24枚の写真が収録されている。写真史家ヘルムート・ゲルンシャイム (Helmut Gernsheim) の著書『A CONCISE HISTORY OF PHOTOGRAPHY』には24枚の写真が全部揃ったものは現在(1960年代)わずか12部しか残っていないと記されている。
その『THE PENCIL OF NATURE』の刊行の前年1843年に同じく英国の女性アンナ・アトキンス (Anna Atkins) は『PHOTOGRAPHS OF BRITISH ALGAE』と題した写真集を、当時ジョン・ハーシェル (John Herschel) によって発明されたばかりのサイアノタイプ(青写真)によって制作している。
・・・ということは写真を使用した本を最初に作った人物なのか、また世界で最初の女性写真家かなのか・・・。













SUN GARDENS VICTORIAN PHOTOGRAMS BY ANNA ATKINS / Larry J. Schaaf
1985, NY, 103 pages, 235 x 312 x 16
プライベートな刊行物とはいえ、アンナ・アトキンスの『PHOTOGRAPHS OF BRITISH ALGAE』はタルボットの『自然の鉛筆』より数か月前に刊行した事実にもとづき、世界で最初に写真が使われた刊行物になるようだ。
そのアンナ・アトキンスはタルボットともハーシェルとも親しい間柄の植物学者でもある。彼女がサイアノタイプの被写体に選んだものは主に海藻などの植物だった。牧師の妻であるアンナ・ディクソンをサイアノタイプの制作に導き、一緒に3巻からなる『BRITISH ALGAE』を完成させる。
本書はタルボットやハーシェルのような偉業を成した人物の一人としてアンナ・アトキンスの作品を紹介した写真集。サイアノタイプのペーパーに感光し、美しく定着したブルーのグラデーションに色づいた植物の数々に手書きのタイトルやキャプション、テキストが加わり、見事なデザインに仕上げられた作品群を実物大で再現した、アンナ・アトキンスに関してまとめられた最初の刊行物であり決定版ともいえる1冊である。
本の状態:ジャケットの後側に1箇所5センチ程度の破れ、縁部分にシワ、キズ、小さな破れあり。本体は経年変化程度。
価格:SOLD
by booksandthings
| 2023-02-25 12:00
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