2020年 04月 26日
CALDER JEWELRY / Rower, Alexander S. C. and Holton Rower |

アーティスト、アレキサンダー・カルダー (Alexander Calder) の妻ルイーザ。
薬指にはカルダーが制作し、“結婚指輪” のつもりでプレゼントしたスパイラルの形状をしたゴールドの指輪がはめられている。ルイーザは、この “結婚指輪” を“婚約指輪”と呼び、結局二人は2ドルで別の既製の“結婚指輪” を購入したそうだ。
微笑ましいエピソードのひとつである。























CALDER JEWELRY / Rower, Alexander S. C. and Holton Rower
2007, New Haven, 287 pages, 250 x 309 x 39
サーカス、モビール、スタビルなどの作品で知られているカルダーの非常にパーソナルな作品がジュエリー制作だった。ブラスやスチールのワイヤーを曲げたり、ひねったり、叩いたり、留めたり、時にはガラスや古い陶磁器の破片を包んだりと様々な方法でブローチやネックレス、リング、ブレスレット、イヤリング、ベルトなどジュエリーが1800点以上作られた。最初は母の誕生日や妻や子供のアニバーサリーの記念に、そしてカルダーを取り巻く友人たちへ - ホアン・ミロとその妻、ルイス・ブニュエルとその妻、アンドレ・ブルトンとその妻、マルク・シャガールとその妻ら - に贈られた。噂は広まり、1929年に初めてアート・ギャラリーでジュエリー作品を公開、その後1930年代、40年代に幾度かのジュエリー展を開催するも、頑なにマス・プロダクションのオファーを拒み続け、自らの手で制作を続けたそうだ。
それらのジュエリーは、古代青銅時代やヨーロッパの先住民ケルト文化をはじめ、プレ・コロンビアン、アフリカやオセアニアのフォークアートなどにも通じる類似性を持ちながらも一層モダンなデザインであり、現代のジュエリー・デザイナーにも影響を及ぼしている。
本書は2008年からアメリカ3都市、アイルランド1都市で開催された初の大規模なカルダーのジュエリー展に際して刊行された図録である。450点以上のジュエリー作品が様々な背景やオブジェを使用した幾通りものスタイリングで手間隙をかけて撮影されている。まさに待望の1冊。
本の状態:経年変化程度。
価格:SOLD
カルダーのジュエリーを愛用した画家のひとりジョージア・オキーフ (Georgia O'Keeffe)。
晩年は常にカルダーのブローチを身に着けていたようだ。




by booksandthings
| 2020-04-26 12:00
| アート

