2012年 12月 06日
JAPAN A PICTORIAL INTERPRETATION / Asahi Shinbun |

丸髷を結った女性が熱心にグラフ誌を眺めるシーンを海外用広告に起用した『アサヒグラフ』。日本の婦女子とグラフ誌の組み合わせが新しい時代の到来を感じさせる広告だろう。
『アサヒグラフ』は1923年に創刊し、2000年に休刊した日本を代表するグラフ誌である。
時を経て、東日本大震災の時に緊急復刊されたことは記憶に新しい。

















JAPAN A PICTORIAL INTERPRETATION / Asahi Shinbun
1932, Tokyo, 272 pages, 203 x 257 x 22
先の海外向け『アサヒグラフ』の広告を掲載した本書は、朝日新聞が所有する膨大な数の写真から日本史研究家のG. Gaiger により選ばれた写真を収録し、海外向けに日本を紹介した1冊。
近代的な東京駅や上野駅、コンクリートの建物と並立する瓦屋根の木造建築、洋装の男性に連れ添う和装姿の女性など西洋文化を取り入れどんどん近代化の進む過程の日本の姿が写し出されている。
西洋の文化に溶け込んだ日本の姿や未だ借り物のイミテーションのように映る姿。オールド・ジャパンとモダン・ジャパンが入り混じる。
ジャケットのデザインはアールデコ調、巻末には高島屋、三越、松屋、白木屋、松坂屋などデパートや資生堂、御木本パールのモダンな広告の数々が掲載されている。
巻頭には8 x 10 サイズのプリント1枚1ドル(送料込)で手に入れることができると明記されている。1931年に満州事変、1932年には第一次上海事変が起こり、諸外国の日本への興味が高まっていた時期でもあり、日本や満州国の様子を伝える写真資料のニーズが高まっていたことが想像できる。また、日本での写真ジャーナリズムの先駆けでもある『日本工房』を立ち上げた名取洋之助のベルリン時代に、ウルシュタイン社から日本特派員として日本の写真をふんだんに撮ってほしいと依頼された状況とも重なる。ドイツの日本大使館や日本協会、日本の商社には、“フジヤマ・ゲイシャ”風の絵葉書程度の写真しか持ち合わせていなかったそうである。
本の状態:
価格: SOLD
by booksandthings
| 2012-12-06 12:00
| 写真集 日本

