2012年 11月 16日
MONSEIGNEUR LE VIN / Nicolas |

製本され綴じられた本のページをばらす、というのは抵抗を感じる行為かもしれない。だが、そのページのイメージや印刷、紙の風合いなど、ばらして額装して飾ってみたい衝動に駆られることがたびたびある。このワインのテイスティングのシークエンス画もそのような衝動に駆られた1冊だった。フランスのワイン商 Nicolas が刊行したワインのバイブルともいえる『MONSEIGNEUR LE VIN(全5巻)』の最終巻に収録された絵で、フランスのアールデコ期のイラストレーター、Charles Martin によって描かれたものだ。ユーモアを感じさせる独特の表情、描写のアングル、少し枯れたようなワインの赤、そして美しいタイプフェイス。どれをとってみても魅了的なページである。
お気付きの方もいらっしゃるかもしれないが、これらのシャルル・マルタンの絵は、日本のワイン商エノテカが著作権を持っており、各店舗には複製が飾られている。



























MONSEIGNEUR LE VIN / Nicolas
1924 - 1927, Paris, 154 x 200 x 29 - 34
Georges Montorgueil によってテキストが書かれた『MONSEIGNEUR LE VIN』全5巻の第1巻は1924年に刊行され、その内容はワインの歴史について。イラストレーターはMarcel Jeanjean 。第2巻は1925年、ボルドー・ワインについて。イラストはPierre Lissac 。第3巻は1926年、ブルゴーニュ・ワイン、イラストはArmand Vallee 。第4巻は1927年、ロワール、アルザス、シャンパーニュ、ローヌ地方のなどのワイン、イラストはCarlegle 。そして最終巻の5巻だけは趣が他の4冊と異なり、“L'ART DE BOIRE (Art of Drinking)” と題し、手彩のワイングラス画に加え、大半のページに描かれたシャルル・マルタンの優美なイラストの数々を収録し、まるでシャルル・マルタンのマスターピースのような仕上がりの本のようであり、1927年に刊行されている。それらの5巻を愛書家が革装幀により2冊に綴じた本が本書である。第1巻から3巻までを、そして第4巻と5巻をそれぞれ1冊に綴じてある。楽しいイラストに加え、エリアごとにワインを解説し、地図や生産量のデータ表まで付けられている。ワインのプロだけでなく、ワインに興味を持っている方、イラストレーションに興味のある方などにとってもバイブルとなるものだろう。
本の状態: 通常、各巻はマーブル模様のカバーなどデリケートな造本であるが、これらは革装のカスタムメイドの装丁が施されているため、本体自体の状態はかなり好い。カスタムメイドのカバーだけが擦れによる多少のキズが見られる程度。
価格:SOLD
オリジナルの状態の『MONSEIGNEUR LE VIN』第5巻『L'ART DE BOIRE』。





L'ART DE BOIRE / Louis Forest (Text), Charles Martin (Dessin)
1927, Paris, 121 pages, 150 x 204 x 20
本の状態:フランス装幀。カバー背の天地部分に破れ、小さな欠けあり。部分的にカバーに変色が見られる。見返しに前所有者の記名。綴じや内部ページは経年変化程度で概ね良好。
価格:SOLD
by booksandthings
| 2012-11-16 12:00
| ガストロノミー

