2012年 07月 22日
木村伊兵衛写真集パリ / 木村伊兵衛 |
東京の下町生まれの写真家木村伊兵衛は、洒脱な人として通っている。
通称「居合い抜き」と言われている写真の撮り方にしてもそのようである。女優の高峰秀子が、土門拳と木村伊兵衛の写真の撮り方についてコメントしているのを読むとよく分かる。
木村伊兵衛が書いた文章も洒落ている。事物の褒め言葉の大半が「オツなもんですよ」、人に対する褒め言葉が「イキな人ですよ」だ。
通称「居合い抜き」と言われている写真の撮り方にしてもそのようである。女優の高峰秀子が、土門拳と木村伊兵衛の写真の撮り方についてコメントしているのを読むとよく分かる。
木村伊兵衛が書いた文章も洒落ている。事物の褒め言葉の大半が「オツなもんですよ」、人に対する褒め言葉が「イキな人ですよ」だ。
なかなかこう渋くはいきませんよ。
木村伊兵衛写真集パリ / 木村伊兵衛
1974, Tokyo, 195 x 265 x 36
『木村伊兵衛写真集パリ』が上梓された昭和49年は木村伊兵衛が他界した年でもある。
周りの皆が「ヨーロッパへ行って来い」と集めてくれたお金7,000ドルを資金に洋行したのが1954年。その後10年以上も時が経過した木村伊兵衛のパリの写真は、第1回木村伊兵衛写真賞を受賞した北井一夫が主宰するのら社から写真集として刊行された。すでに大御所の木村伊兵衛が大手の出版社ではなく、北井一夫の小出版社に写真をポンと気軽に託した木村伊兵衛は「イキな人ですよ」。
そのパリではアンリ・カルチェ=ブレッソン (Henri Catier-bresson)、ロベール・ドアノー (Robert Doisneau)、ブラッサイ (Brassai) らの写真家と交流を持ち、特にロベール・ドアノーとはウマが合ったあったようだ。パリの下町のヒーロー、ドアノーと東京の下町生まれの木村伊兵衛。そのせいか、パリでの被写体の多くは庶民と彼らが暮らす街となった。
それにしても写真集に収録されたフィルターをかけたような色合いのパリの景色はなんとも「オツなもんですよ」。
本の状態:外箱一部破損。本体のクロス装に少しシミあり。その他は経年変化程度。小冊子付。
価格:SOLD
木村伊兵衛写真集パリ / 木村伊兵衛
1974, Tokyo, 195 x 265 x 36
『木村伊兵衛写真集パリ』が上梓された昭和49年は木村伊兵衛が他界した年でもある。
周りの皆が「ヨーロッパへ行って来い」と集めてくれたお金7,000ドルを資金に洋行したのが1954年。その後10年以上も時が経過した木村伊兵衛のパリの写真は、第1回木村伊兵衛写真賞を受賞した北井一夫が主宰するのら社から写真集として刊行された。すでに大御所の木村伊兵衛が大手の出版社ではなく、北井一夫の小出版社に写真をポンと気軽に託した木村伊兵衛は「イキな人ですよ」。
そのパリではアンリ・カルチェ=ブレッソン (Henri Catier-bresson)、ロベール・ドアノー (Robert Doisneau)、ブラッサイ (Brassai) らの写真家と交流を持ち、特にロベール・ドアノーとはウマが合ったあったようだ。パリの下町のヒーロー、ドアノーと東京の下町生まれの木村伊兵衛。そのせいか、パリでの被写体の多くは庶民と彼らが暮らす街となった。
それにしても写真集に収録されたフィルターをかけたような色合いのパリの景色はなんとも「オツなもんですよ」。
本の状態:外箱一部破損。本体のクロス装に少しシミあり。その他は経年変化程度。小冊子付。
価格:SOLD
by booksandthings
| 2012-07-22 12:00
| 写真