2012年 07月 14日
HARRY BERTOIA SCULPTOR / June Kompass Nelson |
イタリア人でアメリカの彫刻家ハリー・ベルトイヤの自宅兼スタジオの写真である。スタジオ兼自宅の場としてペンシルヴァニアに移ってから亡くなるまでこのバーンで暮らした。今は、彼の息子が住んでいるそうだ。
写真には、クランブルック美術学校で共に学んだフローレンス・シュスト(後にフローレンス・ノル)が参画している家具会社KNOLL と契約してデザインしたワイヤーで出来たメッシュ構造の椅子が数多く置かれている。
ハリー・ベルトイヤは、この椅子のデザインで知名度が高く、家具のデザイナーだと思っている方も多いのではないだろうか。
HARRY BERTOIA SCULPTOR / June Kompass Nelson
1970, Detroit, 137 pages, 240 x 250 x 20
ハリー・ベルトイヤの作品集は、今まであまり見かけたことがなかった。KNOLL 社が製作したダイヤモンド・チェアなどの椅子の図版はよく見かけたのだが。この作品集も出版社の所在地は、デトロイト。ハリー・ベルトイヤがイタリアからアメリカへやってきて最初に過ごした都市であり、あまり芸術関連の出版社の多い都市とは思えない。ハリー・ベルトイヤの生誕100年にあたる2015年に、カラー図版を含めた大著が準備されているかもしれないので期待したい。
この本は、ハリー・ベルトイヤのバイオグラフィーを含め、数多くのモノクロ図版により、彼の作品を紹介した良書。初期のプリント作品や一見アレキサンダー・カルダーにも通じるアクセサリー類をはじめ、全米の公共施設や企業のエントランスやホールに取り付けられた作品が収録されている。鳥の巣を思わせるワイヤー作品の制作現場や取り付け作業の写真など興味深い写真図版が多い。
本の状態: 経年変化程度で概ね良好。
価格: SOLD
by booksandthings
| 2012-07-14 12:00
| アート