2012年 03月 29日
HUNGARIAN MEMORIES / Andre Kertesz |




アンドレ・ケルテス (Andre Ketesz) のハンガリー時代に撮影された作品をまとめた『HUNGARIAN MEMORIES』 には妻エリザベスをモデルにした写真が4枚収録されている。最初の1枚は野花が咲いている丘の上にイーゼルを立て絵を描いている姿を撮影したもの、続いて農民の子供たちに囲まれながらスケッチしている姿、ブタペスト市内の通りに貼られたポスターに何かを描いている姿、最後は最も印象的な写真だが、ブタペストの夜空を背景にケルテスとエリザベスが寄り添っているシルエットを撮影したもの。シンプルで最もグラフィカルなケルテスの初期の作品である。
ブタペストの証券取引所で働いていたケルテスはICAボックスカメラを購入し日常生活の撮影を始める。撮影技術や現像作業はすべて独学で失敗を繰り返しながら習得。ヨーロッパのモダン・フォトグラフィーの歴史において新世界を発見したクリストファー・コロンブスのようなものだと評された写真家アンドレ・ケルテスもスタート時はこのような状況だった。










1982, Boston, 194 pages, 258 x 286 x 24, Signed by the photographer
ケルテスがライカを購入したのはパリへ移住してからなので、ハンガリー時代の写真はICAボックスカメラで撮影されたものということになる。ピントがずれていたり、ぶれているような写真も含めて、主観的であり、抒情的な写真がすでにこの初期の作品から感じ取れる。パリ時代に有名であったケルテスの初期の代表作が数枚含まれるこの初期の写真集が刊行されたのは撮影からすでにかなりの年月が経過している。世界がケルテスを再評価したのは随分後になってからということだろう。1936年にニューヨークに渡り、40年もたってやっと市長から表彰される。「芸術と文化の功労者。写真家アンドレ・ケルテス氏。歳80を越えてなお、愛する街を撮り続ける永遠の若者に贈る。」
本の状態:サイン入り。ジャケットがやや表側にずれて被さっている。そのため背部分のタイトルがずれている。その他は経年変化程度。
価格:SOLD
by booksandthings
| 2012-03-29 12:00
| 写真

