2012年 02月 18日
DANSEZ, DANSEZ... / Sarah Moon |
店の入り口の棚に蛇腹の写真集を広げている。
その写真集はフランス人の女性写真家Sarah Moon の“DANSEZ, DANSEZ...” 。ファッション・モデルから写真家に転身し、夫は有名な出版人Robert Delpire、写真家だけではなく映画も手掛けるファッション・フォトグラファー。年2回刊行される季刊ファッション誌“GREY” に掲載される写真もいつも楽しみである。その作風は一貫しており、“A NEW ROMANTIC FEMINITY” と評されている。
DANSEZ, DANSEZ... / Sarah Moon
2002, Paris, 210 x 158 x 12(畳んだ状態)
画家などの芸術家や舞台衣装の専門家だけではなく、著名なファッション・デザイナーもバレエやコンテンポラリー・ダンサーの衣装を手掛けている。1920年代にはジャン・コクトーの台本によるバレエ・リュスの公演“Le Train bleu (青列車)”の衣裳をシャネルが手掛けており、1980年代以降はレジーヌ・ショピノーとジャン・ポール・ゴルチェ、モーリス・ベシャールとイッセイ・ミヤケ、カオール・アーミテイジとクリスチャン・ラクロア、ピナ・バウシュとヨージ・ヤマモト、マース・カニングハムとコム・デ・ギャルソン、マイケル・クラークとフセイン・チャラヤンなど・・・。
このサラ・ムーンによるダンスの写真集に登場するファッション・デザイナーはコム・デ・ギャルソンとクリスチャン・ラクロア、そして他はシルヴィ・スキナジら4名の舞台衣装家。ダンサーはドミニク・ボイヴァンら。サラ・ムーンらしいセピアトーンにソフト・フォーカスや多重露光で撮影されたダンサーたちは機械仕掛けのようなリズム感をもってアヴァンギャルドな動きを感じさせる。衣装やダンスの静止した動きのシークエンスを蛇腹の体裁にまとめるというアイデアも愉快だ。
本の状態: 概ね良好。
価格: SOLD
by booksandthings
| 2012-02-18 12:00
| 写真集