2020年 07月 20日
GOODBYE BABY & AMEN / David Bailey (Photo), Peter Evans (Text) |
1963年の春、ぼくはジェイン・ホルツァーという新婚ほやほやの23歳の美女と会った。ニッキー・ハスラムがパーク・アヴェニューの彼女のアパートに連れて行ってくれたのだった。ディヴィッド・ベイリーもいて、彼は当時のイングランド北部のあちこちの都市で演奏活動をしていたローリング・ストーンズというロックンロール・グループのリード・シンガーを連れてきていた。ミック・ジャガーというその男はベイリーとニッキーの友人で、その時は東19丁目のニッキーのアパートに泊まっていたのだった。「ぼくらが彼と会ったとき、彼はクリシー・シュリンプトンのメイドをやっていたんだ」とニッキーが話してくれた。「クリシーはジェインの妹なんだけどね。彼女が新聞に広告を出したんだ - “掃除人求む”ってね。そしたらミックが来たってわけ。彼はロンドン経済大学の学生で、学費稼ぎに掃除やってたんだな。それから彼女が彼に惚れ込んじゃったのさ。ぼくらはしょっちゅう彼女にいってやっていたよ、「でもさ、クリシー、あいつの顔はひどいぜ」って。そうすると彼女はいうんだな、「ほんとはそうでもないわよ」
これは何か先史時代の話のような気がしないでもない。当時、ローリング・ストーンズといってもアメリカではほとんど誰も知らなかったからだ。ジェイン・ホルツァーの夕食会で、ぼくはベイリーとミックをじっくりと眺めさせてもらった。彼らの服装はそれぞれに個性的だった。ベイリーは黒ずくめ。ミックのほうは明るい裏無しのスーツにタイトヒップのトラウザース、そしてストライプのTシャツ、並みのカーナビー・ストリート・スポーツクロス。高価なものは何一つ着ていなかったけれど、すごいのはそういうものを組み合わせた着こなし方だった。だれも思いつかないようなこの靴であのパンツ。で、その靴とはもちろん、ベイリーもミックも履いていたのはロンドンのダンス・シューズ・メイカー、アネロ・アンド・ディヴィッドのブーツだった。 - アンディ・ウォーホル
そう、ロンドンのイカシた写真家といえば当時はなんといってもデイヴィッド・ベイリー (David Bailey) だった。
ディヴィッド・ヘミングス 演じる写真家を主役としたミケランジェロ・アントニオーニ監督の映画 “Blow-up (欲望)” のモデルともいわれている写真家であり、フランス女優カトリーヌ・ドヌーヴの前夫でもあった。
1969, NY, 237 pages, 291 x 363 x 26
1960年代の “Swinging London” のカルチャー・シーンになくてはならないユニークなポートレイト集 『Box of Pin-up』 に次ぐ第2作目がこの写真集。
Rolling Stones、Beatles、Jane Birkin、David Hockney、Andy Warhol、Marianne Faithfull、Michael Caine、Terence Stamp、Peter Sellers、Twiggy、Penelope Tree、Cecil Beaton、Jean Shrimptonら “Swinging Sixties” のパーソナリティの持ち主らが大判のページに躍動している。そしてまた写真集のタイトルもイカシてる。
本の状態:ジャケットに少し擦れ、シワ、縁部分に僅かなキズあり。その他は経年変化程度。
価格:SOLD
本の状態:ジャケットに少し擦れ、シワ、縁部分に僅かなキズあり。その他は経年変化程度。
価格:SOLD
Small format paperback edition.
1970, London, 237 pages, 205 x 273 x 20
初版の翌年に刊行された小ぶりのソフトカバー版。
本の状態:本体小口に僅かな汚れあり。前後見返しに薄く点状のシミあり。その他は経年変化程度。
価格:SOLD
by booksandthings
| 2020-07-20 12:00
| 写真