2012年 02月 08日
THE ART AND TECHNIQUE OF COLOR PHOTOGRAPHY / Alexander Liberman |

蚊帳越しに見えるのは昼下がりに眠ってしまった女性だろう。扇風機、ハエたたき、飲みかけのコーヒーカップにフルーツも見える。一箇所破れのある蚊帳には数匹のハエがとまっており、ピントはそのハエに合わせてある。写真なのか絵画なのか曖昧な色。これはアーヴィング・ペン (Irving Penn) が撮影したとても好きなカラー写真のなかの1枚。ヴォーグのアート・ディレクターが編集したカラー写真の芸術とテクニックに関する本にこの写真が収録されている。
カラー写真はすでに19世紀後半には技術的に可能であったが、広がりをみせたのは1935年にイーストマン・コダック社のコダクロームが紹介されてからである。
この写真集が出版された1951年当時のカラー印刷の技術的な再現力ということなのだろうが、どのカラー写真もあたかも後で色に手を加えたかのようなため息が漏れるくらい美しいものばかり。ライトグレー、ブルー、ピンク、イエロー、ベージュ、ホワイト、レッドなど様々に彩られているが、これらがカラー写真なのだろうかと戸惑う。
過去に何度がこの写真集を手に入れたが、二度三度ページが破られているのに後から気付いた苦い経験がある。どなたかがページを破って、壁やどこかに貼ったり、資料か何かにしたのだろう。しかしそのようにしたい気持ちは充分理解できるほどこれらのカラー写真に息を呑んでしまう。











THE ART AND TECHNIQUE OF COLOR PHOTOGRAPHY / Alexander Liberman
1951, NY, 225 pages, 253 x 330 x 21
コンデ・ナスト社が発行する雑誌VOGUE、HOUSE & GARDEN、GLAMOUR に掲載された写真家の傑作カラー写真をまとめた写真集。Irving Penn、Horst P. Horst、Andre Kertsz、Cecil Beaton、William Grigsby、Clifford Coffin、Constantin Joffe、Norman Parkinson、Haanel Cassidy、Richard Rutledge、Serge Balkin、Gjon Mili、John Rawlings、Herbert Matter、Anthony Denney、Frances McLaughlin、Erwin Blumenfeld の収録作品のテクニカル・データも巻末で解説されている。ヴォーグのアート・ディレクター、アレクサンダー・リーバーマンの本だけに写真の配置、文字組みなどエディトリアル・デザインもいい。
本の状態:ジャケットに目立ったキズ、シミあり。本体のテキストページに茶シミあり。その他は経年変化程度。
価格: SOLD
by booksandthings
| 2012-02-08 12:00
| 写真

