2012年 01月 21日
写真集 銀座残像 / 師岡宏次 |

市や町にも寿命があって浅草や柳橋が滅びたように、銀座も近く滅びると随分前からいい続けているひとがいた。理由は「若い貧しい客をばかにしているからだ」という。商品の桁がひとつ違う高級店(?)では値札が裏返しになっている、若い客が狼狽するのを店のものは冷ややかに見ている、この冷ややかな顔が出来て初めて高級店の店員だと勘違いし、笑って帰れるようにしてやらない、等。
その後、現在はどうだろう。随分若者が気軽に買物が出来る店が増えたようだ。これで低予算での買物や飲み食いを目的に訪れる若い客も増えているだろう。
そうこうしている内に「こんな格好では銀座は歩けない」という言葉もいつのまにか聞かなくなった。









写真集 銀座残像 / 師岡宏次
S.57, Tokyo, 159 pages, 220 x 305 x 22
戦前の昭和8年から戦後の昭和57年まで写真家、師岡宏次によって撮影された銀座の景色をライカで捉えた写真に加え、天保年間に出版された“江戸名所図会”や“東都歳時記”、明治の写真家による銀座の写真などが収録されている。明治初期の写真家たちは、不便な湿板という手段で銀座を撮影しているそうであるが、これらの写真がなければ明治初期の銀座の姿を想像することも我々にはできない。
収録されている師岡宏次の撮影した写真はネガフィルムから直接グラビア原版を作って印刷されているため調子が整っており古い写真にもかかわらず美しい仕上がりとなっている。
銀座の通りを歩いている人たちは労働者を除けば男性はネクタイ、ジャケットを着用し、女性は洋装と和装姿が入り混じっている。男性の和装が先に廃れたことが分かる。夏に撮影された写真が数枚あるが“アッパッパ”といわれるルーズなワンピースを着ている女性は見かけない。数年前の猛暑の年に簡単服、清涼服として流行ったらしいのだが、“ムームー”のような服といっても“ムームー”自体もう通じないかもしれないが。昔の写真を眺めるのは楽しい。
本の状態:経年変化程度で概ね良好。
価格: SOLD
by booksandthings
| 2012-01-21 12:00
| 写真集

