2011年 10月 31日
STREETWISE / Mary Ellen Mark |

ハロウィン用のコスチュームを身に着けた13歳の少女Tiny。“French whore(フランス人娼婦)”をイメージしたというブラックのショートドレス、ベールに帽子、黒のストッキング。いつもよりもずっと大人びて、美しく見えたと写真を撮影したMary Ellen Mark は述べている。その彼女は不良少女の売春婦である。
マリー・エレン・マークがLIFE誌の仕事で、シアトルの家出したストリートチルドレンの撮影を始めたのは1983年の春。シアトルを選んだ理由は、そこがアメリカで最も住むには快適な町と知られているからだそうだ。もしその町にストリートチルドレンがいるならば、アメリカのどの町にもいるという仮説が成り立つ。結果は、この写真集のとおり。
写真集には、主に5人の子供たちが登場する。そのうちの2人の子供は、撮影後の翌年と翌々年にそれぞれトラブルで命を落としている。
「ガープの世界」「ホテル・ニューハンプシャー」で知られる素晴らしい小説家John Irving が文を寄せているが、彼をしても“- they all managed to be born. But who is taking care of them?” という言葉で締めくくらざるをえないのだろう。







STREETWISE / Mary Ellen Mark
1988, NY, 75 pages, 254 x 280 x 8, Paperback ed.
アメリカ人女性フォトグラファーであるマリー・エレン・マークは、主に時事問題や社会のダークサイドをテーマにした作品で知られている稀有な写真家の一人。このような作品は、被写体との関係を充分考えないと難しいものである。レイモンド・チャンドラーではないが、タフさと優しさが必要であり、そして何よりも興味本位ではいけないのだろう。数年前に彼女が被写体として登場する日本のファッションブランドの広告を見たことがある。何人かのファッションモデルに混じって彼女が写っていた。その彼女はネイティブアメリカンのような力強い個性を持った女性に見受けられた。
本の状態:ソフトカバー。PP加工の影響により表紙がやや反れ気味。内部は概ね良好。
価格:SOLD
このSTREETWISE は、彼女の夫である映画監督Martin Bell により映画化されている。映画の完成後、50人ほどのストリートチルドレンや数名の親、ソーシャルワーカーを交えてシアトルのソーシャルセンターの小さな部屋で上映会を行ったそうである。子供たちは、最初は笑ったり、大声で話したりして映画を見ていたようであるが、最後には多くの子供たちの目に涙が浮かんでいた。
そして一人の子供がマーチンに歩み寄り、「本当にこれが俺たちの生活なのか?」と訊ね、続けて「誰かはわからないが一発くらわせたい。」言ったそうだ。
この写真集と映画のエンドロールには、トム・ウェイツの歌詞と歌が流れる。
Take Care of All of My Children
Words and music by Tom Waits
Take care of all of my children
Don't let them wander and roam.
Take care of all of my children
For I don't know when I'm coming back home.
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俺の子供たちみんなの面倒を見て欲しい
彼らが彷徨って放浪しないようにして欲しいんだ。
俺の子供たちみんなの面倒を見て欲しい
俺がいつ家に帰れるか分からないから
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by booksandthings
| 2011-10-31 12:00
| 写真集

