2011年 10月 30日
AFRIQUE / Emile Schulthess |
4世紀以上前に発見された北アメリカはいつの間にか白人が支配し、原住民のインディアンはほとんどいなくなり今では書物の中で生きているにすぎない。
それに比べ、地理的にはヨーロッパの隣人であるはずなのに暗黒大陸と呼ばれ、地政学的な理由やその信じられてきた神秘性なども手伝い、アフリカは高層ビルや自動車道路、空港などはもちろんあるが、少し奥地へ行くと未だに人々は用水路の泥を手ですくい、手回しの臼で粉をひいている状態のようであり開発のプロセスが非常に遅い。その甲冑に身を固めたアフリカを写真家Emile Schulthessが捉えたのがこの写真集である。北アフリカ、南アフリカ、そして赤道付近の熱帯地帯を撮影。アフリカの真の姿に肉薄している。
AFRIQUE / Emile Schulthess
1958, Paris, Volume 1: 133 pages / Volume 2: 127 pages, 250 x 320 x 25
数多くのアフリカをテーマにした総合的な写真集の中では、その写真、テキスト、そしてエディトリアル・デザインが素晴らしく最もお勧めしたい1冊である。カラー写真とモノクロ写真とのバランスのよく、特にカラー写真はそのイメージをより広げてくれる。総合的なアフリカの写真集は、これさえあればいいのではないかといっても大げさではない。
エミール・シュルテスは1967年にこの写真集と後に発表した「中国」の2作品でUSカメラ賞を受賞している。
本の状態:経年変化程度。
価格:SOLD
アフリカ / エミール・シュルテス
昭和47年, 東京, 136 pages, 292 x 338 x 28
海外版の2冊を1冊にまとめた日本語版も後に出版された。装幀を原弘が担当しているが残念ながら海外版とは見え方がことなる。
本の状態:経年変化程度。
価格:SOLD
by booksandthings
| 2011-10-30 12:00
| 写真集