2017年 06月 07日
DIARY OF A CENTURY / Jacques Henri Lartigue |
1970年パリ。日本人ファッション・フォトグラファー、ヒロのためにポーズをとるジャック・アンリ・ラルティーグ、この時76歳。彼のにこやかな表情を見る限り、天候は快晴だろう。というのもラルティーグは、晴れた日が好き。彼が時々つけていた日記の左上には、T.B., B., T.T.B, とイニシャルが記載されている。その意味は、Tres beau, beau, Tres tres beau..。つまり天気のことであり、雨のイニシャルは、まず見当たらないと、ラルティーグの写真集『DIARY OF A CENTURY』を編集した写真家のリチャード・アヴェドンが編集後記に記している。
A DIARY OF A CENTURY / Jacques Henri Lartigue
Edited by Richard Avedon, Designed by Bea Feitler
1970, NY, Unpaged, 265 x 338 x 25
「偉大なるアマチュア写真家」と評されるラルティーグ。7歳か8歳の頃に裕福な銀行家の父からカメラを与えられ、自分の身の回りの様々な出来事を撮影。カメラによる日記がスタートする。公表するつもりのなかったこれらのプライベートな写真の数々は、写真を撮る楽しみ、撮られる楽しみ、その写真を見る楽しみはもちろんのこと、撮影する対象への観察眼、感受性、テクニックの高さを感じさせる。また、この写真集の魅力は、アヴェドンが編集を行っていることにもある。ハーパース・バザー誌での先輩にあたる写真家マルティン・ムンカッチを敬愛しているアヴェドンであるが、そのムンカッチの写真の躍動感に感じるものがラルティーグの写真にも感じられる気がする。
そのラルティーグは、ニースでその生涯を閉じる10年前に、フランス政府に10万枚の写真を寄贈している。
本の状態:カバー全体的に擦れによる多少のキズあり。見返しに点状のシミあり。その他は概ね良好。
価格:SOLD
フランス版。French edition.
INSTANTS DE MA VIE / Jacques Henri Lartigue
1973, Paris, Unpaged, 265 x 338 x 25
本の状態:ジャケットの後ろ側に1箇所破れあり。見返し、タイトルページにシワあり。その他は経年変化程度。
価格:SOLD
オリジナル・プリントへのサインも「晴れマーク」。
by booksandthings
| 2017-06-07 12:00
| 写真集 作家別作品集