2017年 07月 21日
BONJOUR SAGAN / Bertrand Poirot-Delpech |
『悲しみよ こんにちは』でデビューした18歳のフランソワーズ・サガン (Francoise Sagan) の登場は「事件」だった。若さが武器にも魅力にもならなかった当時、これからの(1960年代)流行を作った現代的な魅力と知性を備えた女の子だった。人々はサガンの作品以上に、彼女の生き方、非常識な行動に注目を集めるようになった。つまり本を読まない多くの人達のあいだにさえも知れ渡っていった。
サガンのスピード癖もその中のひとつ。手にした最初の印税で、中古のジャガーXK140カブリオレを購入。当時、自分で車を買う女の子はありえない。しかも作家で。そのジャガーをバスにぶつけて、もう1台ジャガーを購入。今度はロードスター。価格は前のジャガーの2倍。こんども現金払い。続いて大事故を起こしたアストンマーチン24S。その後フェラーリ250GTカリフォルニアといった具合。
サガンを越える文学界のスターは、その後フランスから生まれてはいないだろう。
1985, Paris, 175 pages, 245 x 292 x 22
「文学界のシャネル」、フランソワーズ・サガンの生前に刊行されたバイオグラフィである。
生まれ育ったロート県カジャール町での幼少期に始まり、『悲しみよ こんにちは』で文壇デビュー、サンジェルマン・デ・プレなどでの仲間との夜遊び、自動車事故、社交界、南仏サントロペでの休暇、カンヌ映画祭、結婚・出産などの私生活、ニューヨークや日本へのPR旅行など1984年頃までのサガンの活躍を数多くの写真と共に解説したサガンのアルバムのような1冊。
大金を稼ぎ、それを惜しみもなく使い、ナイトクラブを貸し切りにしてパーティーを開いたり、競走馬を所有し、カジノで遊び、スポーツカーを乗り回し、美しい女性をはべらせ、美女に子供を産ませるような60年代のプレイボーイに通じるサガンの行動を捉えた覗き見趣味(パパラッチ)を控えめにしながら彼女の魅力を伝える良書である。テキストはフランス語。
本の状態:ジャケットに少し擦れあり。ページまわりの余白に少しヤケあり。その他は経年変化程度。
価格:SOLD
プレス用写真。Press Photo.
1957年に愛車アストンマーチンに乗って大事故を起こし、九死に一生を得た後に無残な愛車と再会したフランソワーズ・サガンを捉えたプレス写真。大勢に囲まれながら、煙草を手に軽く愛車に目をやるサガンらしい1枚。
イメージ・サイズ:W115 H175
ブックマット・サイズ:W300 H400
プリントの状態:ヤケによる変色あり。
価格:¥33,000(プリント、マットのみ。写真のフレームは別途料金)
『BONJOUR SAGAN / Bertrand Poirot-Delpech』 Page 75
by booksandthings
| 2017-07-21 12:00
| オリジナルプリント(写真)