2014年 02月 12日
HOKKAIDO / Michael Kenna |
日本でも人気の高いイギリス人写真家マイケル・ケンナが撮影したまるで2次元の世界かと思わせるミニマルな風景写真。一面の雪を背景にフェンスの杭(上)、ビニールハウスの骨組み(下)を写したものである。風景との親密な対話によって生まれた静寂な墨絵のような写真。これらは北海道で撮影されている。
HOKKAIDO / Michael Kenna
2006, Tuscon, 84 plates, 296 x 320 x 14
2002年に初めて北海道を訪れ、その後毎年撮影を続けたマイケル・ケンナによる北海道の自然の風景をまとめた1冊である。北海道の大自然というよりも、マイケル・ケンナの琴線に触れた独自のスケールの被写体が選ばれている。我々が通常思い描く北海道の風景とは一線を画するマイケル・ケンナの思考と感性と視点とテクニックによって構図されたこれらの幾多の北海道のイメージが、この写真集の刊行により世界の人々に強く印象付けられたに違いない。絹に写真を定着させたような風合いのクオリティの高い印刷と手になじむマットで上質な紙、そして自然木をカバーに使用した、マイケル・ケンナ自らが「今までのなかで最も洗練された1冊」と評した本。撮影スタイルは全く異なるが同じく北海道に魅せられた写真家森山大道氏が序文を添えていることも興味深い。
本の状態: スリップケースに僅かな擦れあり。本体の木材カバーに素材の特性上反れがみられる。背部分の白のクロス装に多少の汚れあり。内部ページは概ね良好。
価格: SOLD
by booksandthings
| 2014-02-12 12:00
| 写真集 日本