2017年 09月 23日
WOMEN OF JAPAN / Christine Arnothy (Text), Marc Riboud (Photos) |
昭和31年(1956年)に刊行された獅子文六の酒や食べ物についての随筆集 『飲み食ひの話』 は、気の向いたときに拾い読みを重ねている1冊。芹澤銈介が装幀を手掛けた味のある本だ。その随筆集の中に “ビールと女” と題する小文がある。薫風が街を吹き抜ける時候になると、ビアーホールの軒を潜りたくなる。するとこのところ必ずといっていいほど、女性同士の士を見かけ、驚きと楽しみを味わっているという話である。戦前のビアホールは完全なる男の世界であって、ビールを飲む女性といえば、キャフェの女給さんや藝妓さんのような男性のみを相手とする接客業者に限られていた、という話しからビールが女性の飲料として適しているか否かの問題に移ってゆく。そして近頃の男性は、お好み焼屋なぞに、臆面もなく出入りするのであるから、その賠償としても、彼女等にビアホールの席を譲らねばならない。一国の女性が、俄然、ビールを愛好し始めたという事実は、多少の世界的ニュース性を持って考えられる。別に、風俗的、衛生的に、弊害の認められることではない。飲みたければ、たんとお飲みなさい。と最後に締めくくられている。
WOMEN OF JAPAN / Christine Arnothy (Text), Marc Riboud (Photos)
1959, London, Text: 64 pages, Photos: 96 pages, 117 x 174 x 16
『J'ai quinze ans et je ne veux pas mourir (私は15歳、死にたくない)』 の著者として知られるフランス人作家クリスティン・アルノチ (Christine Arnothy) とフォト・エージェンシー、マグナムのメンバーマルク・リブー (Marc Riboud) による日本の女性をテーマとしたポケットサイズの小ぶりな1冊である。伝統と変化、あるいは未来。新旧ライフスタイルが混じりあった1950年代、第一次ベビーブームは過ぎたが、日本の高度経済成長期にあたる1958年の日本女性たちの姿を捉えている。社会に進出する女性が増え、3分に一人赤ん坊が生まれた時代。和服とドレスを併用したカフェの女給、芸者、日劇ミュージック・ホールの踊り子、ポニーテールのロックン・ロール・スタイルのティーン・エイジャー、男女共学慶応大学の女学生、畑仕事中の農婦、日常的に花を生ける女性、皇室のプリンセス、そして美容室でパーマ、美容整形、デパートでの買物、パチンコを楽しんでいる女性の姿などが収録されている。なにやら話し込んでいるカップルの写真のキャプションには、死の後に訪れる幸せ、つまり “心中”のことが記されているが、そのカップルは、カフェの女給とその客に見えなくもなかったりするなど、外国から見た日本女性ゆえ、すべてが正しく解釈されているわけではないように思えるところも興味深い。
本の状態:ソフトカバー。背部分のラミネートに浮き、少し汚れあり。綴じには問題はないが、無線綴じのためデリケートな状態。その他は経年変化程度。
価格:SOLD
収録されている京都の写真。寺町通り歓楽街のヒルサロ・エデン。女性たちのユニフォームは水着である(写真のキャプションには、夏も冬も水着と記されている)。
オランダ語版。Dutch edition.
VROUWEN VAN JAPAN / Christine Arnothy (Text), Marc Riboud (Photos)
1959, Utrecht, Text: 64 pages, Photos: 96 pages, 117 x 174 x 16
本の状態:ソフトカバー。開き癖による背部分に折れ線あり。綴じには問題はないが、無線綴じのためデリケートな状態。その他は経年変化程度。
価格:SOLD
ライカギャラリー京都では、本日9月23日から2018年1月18日までマルク・リブー写真展「マルク・リブーが見た日本の女性」を開催。
Christine Arnothy との共著『WOMEN OF JAPAN』にも収録されていない作品も展示されており非常に興味深い。
1959, London, Text: 64 pages, Photos: 96 pages, 117 x 174 x 16
『J'ai quinze ans et je ne veux pas mourir (私は15歳、死にたくない)』 の著者として知られるフランス人作家クリスティン・アルノチ (Christine Arnothy) とフォト・エージェンシー、マグナムのメンバーマルク・リブー (Marc Riboud) による日本の女性をテーマとしたポケットサイズの小ぶりな1冊である。伝統と変化、あるいは未来。新旧ライフスタイルが混じりあった1950年代、第一次ベビーブームは過ぎたが、日本の高度経済成長期にあたる1958年の日本女性たちの姿を捉えている。社会に進出する女性が増え、3分に一人赤ん坊が生まれた時代。和服とドレスを併用したカフェの女給、芸者、日劇ミュージック・ホールの踊り子、ポニーテールのロックン・ロール・スタイルのティーン・エイジャー、男女共学慶応大学の女学生、畑仕事中の農婦、日常的に花を生ける女性、皇室のプリンセス、そして美容室でパーマ、美容整形、デパートでの買物、パチンコを楽しんでいる女性の姿などが収録されている。なにやら話し込んでいるカップルの写真のキャプションには、死の後に訪れる幸せ、つまり “心中”のことが記されているが、そのカップルは、カフェの女給とその客に見えなくもなかったりするなど、外国から見た日本女性ゆえ、すべてが正しく解釈されているわけではないように思えるところも興味深い。
本の状態:ソフトカバー。背部分のラミネートに浮き、少し汚れあり。綴じには問題はないが、無線綴じのためデリケートな状態。その他は経年変化程度。
価格:SOLD
収録されている京都の写真。寺町通り歓楽街のヒルサロ・エデン。女性たちのユニフォームは水着である(写真のキャプションには、夏も冬も水着と記されている)。
オランダ語版。Dutch edition.
1959, Utrecht, Text: 64 pages, Photos: 96 pages, 117 x 174 x 16
本の状態:ソフトカバー。開き癖による背部分に折れ線あり。綴じには問題はないが、無線綴じのためデリケートな状態。その他は経年変化程度。
価格:SOLD
ライカギャラリー京都では、本日9月23日から2018年1月18日までマルク・リブー写真展「マルク・リブーが見た日本の女性」を開催。
Christine Arnothy との共著『WOMEN OF JAPAN』にも収録されていない作品も展示されており非常に興味深い。
by booksandthings
| 2017-09-23 12:00
| 写真