2013年 06月 11日
1000°C DEYROLLE / Laurent Bochet |
パリの左岸 rue de Bac 通りに1831年創業の子供から大人までを魅了する “Deyrolle” という名のとても珍しい店がある。店内に一歩踏み入れると珍奇な自然物に目を奪われるだろう。そこには動物の剥製、昆虫や蝶の標本、鉱物、貝殻、珊瑚礁などが美しく陳列されている。その珍奇な館が火災という大惨事にあったのは2008年2月1日のことだった。
1000°C DEYROLLE / Laurent Bochet
2009, Paris, Unpaged, 273 x 343 x 28 (本体サイズ)
パリの文化遺産ともいうべき Deyrolle は火災後、エルメスやルイ・ヴィトンなどのラグジュアリー・ブランド、クリスティーズ、地元の資本家、そして顧客であった自然史のコレクターたちの協力により再生した。コレクターの中には以前 Deyrolle で購入した剥製や標本を寄付した人もいたそうだ。
本書は火災により焼けただれた Deyrolle の収蔵品などを撮影したユニークな1冊である。
火災の恐ろしさや悲惨さというよりも、燃えたことにより変身・化身した剥製などにあるべきはずもない “生” のような不思議な美しさを感じさせられる。後半部には「最初の目撃者」と題して、火災現場で Deyrolle の関係者、支援者、友人たちのポートレイトが収録されている。
本の状態: スリップケース、本体共に概ね良好。
価格: SOLD
by booksandthings
| 2013-06-11 12:00
| 写真集