2021年 08月 04日
SCHONHEIT IM OLYMPISCHEN KAMPF / Leni Riefenstahl |
ダンス、演劇、フィルム、写真の4つのメディアで輝かしいキャリアを持ち、ワイマール共和国、ナチスドイツ、そしてドイツ連邦と3つの時代を生きたドイツ人女性レニ・リーフェンシュタール (Leni Riefenstahl) 。
自ら面会を申し入れ、自身の監督映画『DAS BLAUE LICHT(青の光)』(1932年)も観ていたヒトラーにその才能を評価され、ナチス党の記録映画『Triumph des Willens(意志の勝利)』(1935年)を製作、続いて2部構成のベルリン・オリンピックの記録映画『Olympia(オリンピア)』(1938年)を製作し、プロパガンダ映画と糾弾されはしたものの、歴史に残るオリンピック映画の傑作として名高い。
SCHONHEIT IM OLYMPISCHEN KAMPF / Leni Riefenstahl
1937, Berlin, 280 pages, 247 x 315 x 35
1936年に開催されたベルリン・オリンピックの記録映画『OLYMPIA』製作時のスチル写真を選び抜いて写真集として1937年に刊行されたレニ・リーフェンシュタールの『SCHONHEIT IM OLYMPISCHEN KAMPF(オリンピック競技の美)』。
本の状態:ジャケットの後側に湿気によるシワあり(本体には影響なし)。本体天地・小口に数か所点状のシミあり。その他は経年変化程度。
価格:SOLD
1937, Berlin, 280 pages, 247 x 315 x 35
1936年に開催されたベルリン・オリンピックの記録映画『OLYMPIA』製作時のスチル写真を選び抜いて写真集として1937年に刊行されたレニ・リーフェンシュタールの『SCHONHEIT IM OLYMPISCHEN KAMPF(オリンピック競技の美)』。
前半の約50ページにかけてオリンピック発祥の地ギリシャの古代建築や彫像、躍動する人体、聖火リレーの写真が続く。そしてスタジアム内を行進する白のユニフォームを着用したドイツの選手たち。すべての選手が右手を前にかざしている。右手をかざした選手たちの写真と向かい合うようにヒトラーの写真が巧みにレイアウトされている。以降、陸上競技の王者ジェシー・オーエンスの写真をはじめ、オリンピックで活躍した選手たちの非常に美しく、卓越した写真が収録されている。映画も写真集も『美』を意識し、単なるドキュメンタリー作品と一線を画したところにレニ・リーフェンシュタールのこだわりが表現されている。
巻末には撮影現場の状況写真が収録されており、水中カメラ、サウンド・プルーフカメラ、ミニチュアカメラ、望遠レンズカメラ、バルーンに設置された遠隔操作によるカメラなど、撮影への意気込みとカメラ大国ドイツのテクノロジーを誇っている。
巻末には撮影現場の状況写真が収録されており、水中カメラ、サウンド・プルーフカメラ、ミニチュアカメラ、望遠レンズカメラ、バルーンに設置された遠隔操作によるカメラなど、撮影への意気込みとカメラ大国ドイツのテクノロジーを誇っている。
競技として興味深く、記録的に正確で、芸術性に優れたオリンピック映画を目指し、「記録的に正確」の部分においては、競技の終わった選手に再度競技を再現してもらったり、事前撮影するなど決して正確ではない部分もあったが、ベルリン・オリンピックから前回のリオデジャネイロ・オリンピックまで80年の年月と18回の夏季オリンピックが開催されているが、オリンピックをテーマとした写真集でこの『SCHONHEIT IM OLYMPISCHEN KAMPF』に比肩する出来栄えの写真集は今のところないと言っていいだろう。
本の状態:ジャケットの後側に湿気によるシワあり(本体には影響なし)。本体天地・小口に数か所点状のシミあり。その他は経年変化程度。
価格:SOLD
by booksandthings
| 2021-08-04 12:00
| 写真