2021年 06月 21日
BONJOUR MONSIEUR LE CORBUSIER / Robert Doisneau, Jean Petit |
パリの 24 rue Nungesser et Coli に位置する建築家ル・コルビュジエ(Le Corbusier) のアトリエ兼アパートメント内のデスク脇の壁には亡き母の写真と妻イヴォンヌ の写真、そして晩年一緒に写った写真がピンで留められている。
このアパートの壁面を撮影したのはマグナム・フォトス所属の写真家ルネ・ブリ (Rene Burri)。そして壁面にピンで留められた写真のひとつ、ル・コルビュジエと妻のポートレイトを撮影したのはラフォー・エージェンシー所属のロベール・ドアノー (Robert Doisneau)。このプリントは、ドアノーがル・コルビュジェへ贈ったものだろう。
BONJOUR MONSIEUR LE CORBUSIER / Robert Doisneau (Photo), Jean Petit (Text)
1988, Zurich, 111 pages + Booklet, 338 x 338 x 20
『Bonjour Monsieur Le Corbusier』 と親しみを込めたタイトルの大判写真集。
BONJOUR MONSIEUR LE CORBUSIER / Robert Doisneau (Photo), Jean Petit (Text)
1988, Zurich, 111 pages + Booklet, 338 x 338 x 20
『Bonjour Monsieur Le Corbusier』 と親しみを込めたタイトルの大判写真集。
ロベール・ドアノーによってパリ市内にあるル・コルビュジエの建築スタジオ (35 rue de Sevres) とアトリエ兼自宅でのル・コルビュジエを撮影した決定版とも呼べるポートレイト集である。
スタジオで電話に応じたり、書類に目を通したり、スタッフと打ち合わせたりしている姿やアトリエでの創作、自宅での愛犬や妻とのリラックスしたプライベートなひとコマなど、センシティブで張り詰めた姿やおどけたり、微笑んだり、愛情を含んだル・コルビュジエの表情をドアノーが見事に捉えている。
スタジオで使用されているワーク・テーブルやコルビュジエ・ランプとも言われている Gras のランプをはじめ、自宅で使用しているトーネットの椅子、ピエール・ジャンヌレとシャルロット・ペリアンとの共作のソファ、友人のレジェやピカソの絵画作品なども見える。
スタジオで使用されているワーク・テーブルやコルビュジエ・ランプとも言われている Gras のランプをはじめ、自宅で使用しているトーネットの椅子、ピエール・ジャンヌレとシャルロット・ペリアンとの共作のソファ、友人のレジェやピカソの絵画作品なども見える。
ジャン・プティ (Jean Petit) によるテキストは友人からコルビュに宛てた親しみに溢れた手紙のような文章で、スタジオのあるサンジェルマン・デ・プレのことやアトリエ兼自宅での様子などの今昔話がフランス語で記載されており、別にそのテキストのドイツ語、英語訳の冊子が添付されている。ドアノーの写真、ジャン・プティのテキスト以外にもソール・スタインバーグ (Saul Steinberg) が描いた『ル・コルビュジエの卒業証書』と題する作品やルイ・マルクーシ (Louis Marcoussis) が死の直前に制作したル・コルビュジエの肖像版画も収録し、前後見返しにはジャン・プティ本のお約束である枝を広げた木のドローイングをレイアウトするなど編集者・デザイナーとしてのジャン・プティの魅力が遺憾なく発揮されている。
ジャケットのタイトル文字は、マルセル・ジャクノ (Marcel Jacno)がデザインしたステンシル・レター・タイプフェイス Chaillot が使われている。ジャン・プティが手掛けたいくつかのル・コルビュジエの本で採用されたタイプフェイスである。そしてタイトル・ページと冊子のタイトル文字は、A・M・カッサンドルがデザインしたペニョー体 (Peignot) が使われている。誕生した時代は違えども、Chaillot も Peignot もフランスの鋳造活字会社 Deberny & Peignot がリリースしたタイプフェイスである。
本の状態:スリップケースの1か所に少し割れあり。本体角部分に当たりあり。その他は経年変化程度。
価格:SOLD
by booksandthings
| 2021-06-21 12:00
| 写真